ニ−チェの誕生日に寄せて by 原 真砂子 |
ルサンチマンというのは、「サンドイッチマン」と同じで日本人の造語と思っていたら、
れっきとしたフランス語で ressentiment=恨みや憎しみが心の中にこもって鬱屈した状態 というのがもともとの意味。
ルサンチマンといえばニ−チェということですが、弟子である(と自認する)私は、先生のルサンチマン主張は、どうでもよく、自分のは「負け犬のトーボエ」、先生のは「負け犬のオーボエ」と自己流に解釈しておりました。
どちらも、あまり間違っていない気がします。(はぁ)←初めて使ってみました。
ニ−チェの発言(大量虐殺に都合がいい)がナチスに利用されたとして、
ニ−チェを責める人たちがいます。
それでニ−チェに責任を取れということなのでしょうか?
ニ−チェを読んで立派な行ないをしたドイツ人もいます。
「ニ−チェがこんなこと言っているけど、人を殺してはいけないよね」
で終らずに、「ニ−チェがこう言うから、人を殺してもいい」と
人を殺した人は、結局手を下した人の責任ではないですか?
(ここまで書くとニ−チェにも責任がある気がしてきてヤバイ)
日本でもファシストたちが、ニ−チェの同情心についての言葉
(単なる同情心のあり過ぎる人たちへの警告に過ぎない)
を発展させて、「だから福祉はいらないのだ」
といいます。
果たしてニ−チェの真意はそこにあったのかしら?
ニ−チェは体の具合が悪く、現代でも理解者が少なく、
まして存命中に彼の著作はどれだけ売れたのでしょう?
萩原朔太郎氏経由の情報によれば、ツァラトゥストラの初版を全ドイツで買ったのは、
たったの3人。氏は、ヨーロッパでもニ-チェはほとんど読まれていないと。
淋しさと活火山のような(肉体的苦痛から来る正反対の脳内物質の過剰流出による躁状態+滅法、人が良かったことから、表現が激しく片寄ったものになった)エネルギーが、運悪く当時のファシストに利用されてしまったのでしょう。
ところで「勝ち犬」って、だあれ?
先生を一言で言えば
「これ程人に理解されず、こんなに人に影響を与えた人はいない」
これは、バースデーパーティーにおける生徒さんの発言。
何卒、先生への花向けの言葉になっていますように!
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