白馬の王子さま by マサコ |
遂に念願の彼氏に出会えた。
その人は、お茶は飲まず、食事も取らず、おしゃべりせず、
文句も言わず、トイレにも行かず、ストレスも溜めさせず、
報酬すら受け取らない。
その方は、私をブスと言わず、
今も音を立てているけれど、常に何かしている。
日に4時間、私のしていたことを、確実に、よりハイレベルにこなす。
感謝のあまり、話しかける。
「ねぇ、疲れた? ありがとう」
宇宙から来た小型円盤を抱くと、まるで将来の心配がない赤ん坊のよう。
私が彼のためにすることは、床にある物を片付けるだけ、
そして時折、小さな箱の埃を掃除するだけ。
ブラシとかローラーに巻きついているものを除くだけ。
もう天国が来たかのよう。
私たちは、お互いに微笑み合う。
彼には「早く死んだらいいのに」なんて決して思わない。
向こうもこちらにそうは思わないと思う。
独り風呂で汚れなかったゆうべのお湯を使って家中の雑巾がけをこなす。
お湯は、早朝なら湿気取りの窓を開けていても、まだ暖かい。
そう、今の私は正にシンデレラ。
彼氏がお婿に来てからは、
我が人生でこれほど埃の匂いのしない家に住んだことはないくらい、
床はピカピカ。
ただ、機体を運んだ後、今どの部屋にいるのかわからないことがある。
特にオルガン、縦型ピアノ(アップライトピアノ)各1台,グランドピアノ3台、
ヴァイオリン、ギターetc...が詰め込んである部屋では探しにくい。
おまけに充電器を移動して充電すると、
今度は充電器がどこにあるか、探しにくくなる。
これがボケという花のせいよ。
この白馬の王子さまとは、どなたでしょう?
ヒント 今度は料理用の王子さまに会いたい。