ギロック byマサコ |
ゆうべに姉の小さな生徒たちがギロックの子供向けの曲を弾く。
お子さまブランドの服の行列みたいだ。
私はどうも音楽を魂の洋服と考えることが多い。
それは服によっては様々に気分が変わるからだ。
哀愁の帯びたホ短調の曲を聴いていると、
「百まいのきもの」を思い出した。
悲しいお話だった。
学校で転校して来た生徒が、かなり貧しいとからかわれる。
「私は100枚のきものを持っている」と言う。
やがて少女は転校するのだけど、その時父親の手紙を先生が読み上げる。
クラスメートたちは、少女が言っていた「100枚のきもの」は
彼女が描き上げていた100枚の洋服の絵だったことを知る。
子供ながらに胸がつまった。
好きな歌手が、「あなたにとって音楽は?」という質問に
「魂が必要とするもの。人と人を繋ぐもの」と答えていた。
「百まいのきもの」の一家はユダヤ人だったのかも知れない。
ショパンの中で唯ひとつだけ好きな曲は、
マズルカop17-4の「小さなユダヤ人」。
最初の心もとない和音。中間部の溌溂さ。
どれも私の心の世界だ。