おはな byマサコ |
4年前の秋、若島先生のサイトで、おはなは溌剌と咲いていた。
「マサコさんも書評を書いてごらんよ。とても楽しいよ」と言うはなを、放ったらかしにして、私は相手が何でも読んでいるからとフットボール選手のような肩当てをして、にわかに図書館でハードボイルドを物色して、バレないといいなあと思いつつ「好きな『ハードボイルドエッグは』ヒギンズ、それも菊池光の訳で」なんてほざいたのが、懐かしく思われる。
「ヒギンズ、読んだことないよ」
「ホッ 」なあんて、今でも微笑む。
電車の中で読書するおはなさんは、音楽が好きでお仕事の編曲はとてもいい。38歳で亡くなったお気に入りのピアニスト、ホルヘ・ダルト張りのピアノを聴かせてくれる。
今夏、私は急に本の話を書くようになった。園芸と同じで、自分の傾向や性質を理解するのに役立っている。
たとえば、おはなの「恥辱」の感想文と自分のがどう違うかが、おもしろい。まず私は筋に興味がないので、物語の筋を人に伝える気持ちが余りない。次に書物が読者にどういう感じをもたらすかが中心で、自分の反応しか書かない。
書評は人のを読めば読む程、楽しい。個性が感じられ、忘れていた部分を思い出すことが出来る。
新聞の書評は、大きくスペースを与えられた花壇のようで、個性がなくてつまらない。私は猫の額のような大きさの週刊誌の書評が好き。書評者が、もっと自分の言葉だけで、何かを言い捨てていて、本音が聞ける。
そんなやこんなで、おはなの書評を人が読まないのは、とても勿体なく感じられる。
という訳で、許可を得ておはなさんの「恥辱」の書評を明日、明後日と2回に分けて私の日記にアップさせていただきます。