Web版46 私のピアノの先生 by 牧 恂子 (59回生) |
中学2年生の時、大塚昇先生が「ビクスビー先生にピアノを習ってみてはどう?」と声をかけて下さったのが、私がビクスビー先生にご指導頂くきっかけでした。
それまでは何となくピアノを弾いていただけだった私を、先生は随分可愛がってくださいました。でもレッスンはとても厳しく、練習不足の上に言葉の問題もあったので、私は逃げてばかりでした。
ある日他の先生から「ビックスビー先生が、『ミス奥田は私が嫌いなのかしら?』と悲しそうに仰っていましたよ」と伺い、びっくりし、そして申し訳ない気持ちで一杯になり、それからは一生懸命にピアノの練習をするようになりました。
日曜日の礼拝で私が奏楽した時には、ビックスビー先生はつききりでバッハの曲を弾かせて下さいました。
ある時、先生がお風邪で寝込んでいらっしゃると聞き、友達二人と寄宿舎にお見舞いに伺いました。先生はとても喜んで下さり、外国製の可愛らしいチョコレートを三つずつ下さいました。私は大事に持って帰って小箱に入れ、毎日眺めていました。
それから2年後、先生はご帰国なさいました。神戸港からお立ちになるとのことでお見送りするつもりでしたが、台風のせいで神戸には行けませんでした。その時は本当に悲しい思いをしました。
ピアノを背になさった先生のお写真を眺めては、もう一度お会いしてお話ができたらと、懐かしく昔を振り返っています。
おそらくこのビクスビー先生が
私が通っていた日ノ本幼稚園を作られた方ではないでしょうか。
http://hinomoto-yochien.ed.jp/about.html
学校法人姫路キリスト教学園日ノ本幼稚園は、1918年(大正7年)に創立され、90数年もの間、姫路の地でキリスト教保育の業を担ってきた幼稚園です(1984年に学校法人に認可され、2018年に創立100周年を迎えます)。
日ノ本幼稚園が創立された当時の姫路には、わずか2つの幼稚園しかありませんでしたが、若き日の創始者アリス・ビックスビー宣教師(初代園長)は、「わたしの名のためにこのような一人の子どもを受け入れる者は、 わたしを受け入れるのである」(マタイによる福音書18章5節)という主イエス・キリストの教えを受けて、この地に日ノ本幼稚園を開設しました。
幼稚園ねっとから
日ノ本幼稚園は、幼子をキリストの愛の心で育てたいという願いによって、 1918年(大正7年)、米国バプテスト婦人外国伝道協会の援助を得てアリス・ビックスビー宣教師(初代園長)により姫路市下寺町の武家屋敷に開園され、2017年には創立100年の節目を迎える姫路市で歴史と実績のある幼稚園です。