神戸の小父さんへ by マサコ |
サン=サーンス ピアノ協奏曲第5番「エジプト風」
初めまして。
田中希代子さんは、最愛のピアニストです。
中でも「サン=サーンスのエジプト風のコンツェルト」は、
田中さんの資質が最高に表現されていると愛聴してきました。
田中ファンは、滅多にいらっしゃらないように感じているので、
貴殿のさり気ない感想に心が明るくなりました。
田中さんは多彩なタッチも魅力的ながら、
一介の労働者のように音楽に献身しておられますね。
影を音にしているし、さっぱりした感じは上質の水彩画のようですね。
私は特に田中さんがヘ長調の曲を演奏なさったものに心を揺り動かされます。
サン=サーンスはネイガウスが2楽章のことを「ムト・エム・エネト」の性的情念といった事や、リヒテルが「ヘ長調は知性の調」と発言している事で、尚ワクワクします。
に加えて、第2楽章の第2テーマはサン=サーンスが、エジプト旅行の折、ナイルの川下りで実際に船頭さんが歌っていたメロディーだという事ですが、ト長調のメロディーにホ短調の伴奏が加わっていくあたり、作曲作品としても、洒脱でユ−モアに溢れた名場面の連続ですね。
春の一夜に大好きな演奏を語る方に出会えた事を深く感謝!