海峡web版
2024-02-26T12:45:58+09:00
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ペーパー版「海峡」の新スタイル
Excite Blog
14歳のグールドのスカルラッティ@田中先生ご命日 byマサコ
http://kaikyou.exblog.jp/242099413/
2024-02-26T12:45:00+09:00
2024-02-26T12:45:58+09:00
2024-02-26T12:33:26+09:00
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Birth & Memorial Day
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今日は田中希代子さんのご命日。
作曲家の矢代秋雄さんのお話に
「田中希代子の作るスパゲティーは、彼女のスカルラッティぐらい上手でおいしい」
とあった。
希代子氏の弟によると、田中さんは
「残り物を利用して、おいしいものを作るのが彼女の母親譲りで上手だった」
ということだった。
残念なことに彼女のスカルラッティを聴いた事は無い。
想像は充分できる。
さて、GGのスカルラッティはなんとなく気に入っていつも聴く。
哀愁を帯びていて、それでいて張り切っていて、
グールドの呼吸は浅かったのかせかせかしていて........。
彼の作るスパゲティーは、どの程度のおいしさになる?
予測がつくだろうかって?
演奏を聞いて、「この人はきっと料理が上手でない」と思う人は結構いる。
グールドのこのスカルラッティの出来からは
彼はお料理もやれば「きっと上手にできた」のではないかと思う。
Gould/Scarlatti Sonatas (recorded at home)
https://youtu.be/Wo8K3FHHJck?si=SbqNdoxzFm-Uk7M2
ロンドンの親戚から1947年に送られた本
「MY LIFE OF MUSIC by Henry J. Wood」
裏には当時練習していた曲のグールド自筆のメモがある。
上から、スカルラッティ、ツェルニー、即興曲、ワルツ。
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14歳のグールド・ショパンを弾く byマサコ
http://kaikyou.exblog.jp/242064194/
2024-02-26T00:14:00+09:00
2024-02-26T00:26:44+09:00
2024-01-25T14:14:11+09:00
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音楽・美術・哲学・宗教
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なんと才能あふれるショパンでしょう。ルバートも完璧。
どちらかと言うと、お金持ちの家のショパンみたいだけど。
14歳のグールド・ショパンを弾く
Young (14 years old) Glenn Gould plays
Chopin Impromptu No. 2 op.36 in F#. (1946)
https://youtu.be/Ly8YQCOeitQ?si=FU8awq2AveASXYcF
私はこのショパンを聴くたびに、
「奥様は魔女」のサマンサの母上・エンドラが
サマンサの長女のタバサちゃんに魔法をかけたら、スケートの天才になり、
魔法が解けると凡人になって、尻餅つき続ける。
そのシーンを思い出します。
今まで見た中で、おばあさまと孫の交流が楽しく、この回が1番好きです。
次はグールドのおしゃべり。ビゼーが好きなんですって。
二ーチェも歌劇はビゼーのカルメンが1番好きだと言ってたわ。
おしゃべりの後にショパンの即興曲第1番を弾いています。
* Glenn Gould talks about Chopin and plays Impromptu No.1
https://youtu.be/Q8XZp15XHog?si=r6nhwTHFNrVaYK06
こちらは大人になってからのショパンのピアノソナタ
1番最後のソナタはよく知られていると思うけどまぁいいでしょう。
* Glenn Gould plays Chopin Piano Sonata No.3 in Bm Op.58
https://youtu.be/NAHE8PTR8tE?si=F4dFbxtljL7G48nj
買えない人が聴いてくれたらいいなぁ。
タバサとスケート関係のYouTubeが今朝見つかった。 私が見たのは多分違うと思う。タバサが大きくなっているから。 でもまぁいいか
A Year With Bewitched I Bewitched
https://youtu.be/EMugTgPQdgA?si=74zJb9de6GXlpzip
やっぱりダーリンはモンゴメリーに恋をしていたに違いない。 私だって、エリザベスには恋をしてしまうもの。
Dick York: "I fell in love with Elizabeth Montgomery"
https://youtu.be/ymyCPDcaqVw?si=MKRLIbU8JXyJ04Nt
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即興曲のyoutube解説
若き(14歳)グレン・グールドがショパン即興曲第2番作品36嬰ヘ長調を演奏。
新たに発見されたショパンの嬰ヘ長調の即興曲の録音。
他とはまったく異なります。
この録音は最近グールドの私物の中から発見された。
グレン・グールドのプライベート録音は他にもあります。それらは間もなく、グレン・グールドの名前に密接または遠縁の関係にある製品の商業権を(グレン・グールドの遺産から)取得した会社の(新しい)公式ウェブサイトに掲載される予定です。全集のタイトルは「グレン・グールド・プライベート・レコーディングス」となる。
若きグールド(14歳)がショパン即興曲第2番作品36嬰ヘ長調を演奏。
1932年9月25日にカナダのトロントに生まれたグレン・グールドは、20世紀の偉大な音楽家の一人として、またテクノロジーが文化や社会に与える重大な影響を予見した先見の明のある思想家およびマルチメディア・アーティストとして国際的に高く評価されています。 。当初、並外れた才能のピアニストとして高く評価されていたグールドは、レコーディング、テレビ、映画、ラジオドキュメンタリーの執筆とプロデュース、学術的および批評的な作品の作曲と執筆を含む素晴らしいキャリアを持っていました。
グレン・グールドは、30歳になる前からコンサート・ピアニストとして伝説となっていました。彼の画期的な1955年のバッハのゴルトベルク変奏曲録音は、空前のベストセラーとなりました(そして今でも史上最も売れているクラシック楽器の録音です)。
この成功と国際的なコンサートキャリアの急成長にもかかわらず、彼はマスメディアを通じて音楽を伝える革新的な方法にエネルギーを振り向けることを選択しました。 1964年、彼が32歳のときに公のコンサートをやめたとき、彼の友人や親しい同僚は、彼のライブ・パフォーマンスの拒否が彼のキャリアを台無しにするだろうと予測した。しかし、並外れた先見性を持って、CBS レコード (現ソニー クラシカル) の専属レコーディング アーティストとしてキャリアを再構築しました。
彼は、さまざまな作曲家の音楽、特にバッハの音楽の啓発的な解釈を通じて、新世代の演奏家や聴衆に影響を与えました。彼の非常に個人的で、時には物議を醸す解釈は、疑問を投げかけ、同時に啓発されました。これらは録音音楽のマイルストーンとして高く評価されています。
グールドのメディアと通信テクノロジーに対する情熱は、カナダ放送協会との長年にわたる関わりから始まりました。ラジオでの数々の演奏に加え、グールドはラジオでのドキュメンタリー、テレビでのエッセイやパフォーマンスで新たな芸術的境地を開拓しました。現在再出版された彼の著作は、非常に個性的な音楽的洞察を明らかにし、新たな聴衆の興味を刺激し続けています。
グールドの50歳の誕生日からわずか数日後の1982年10月4日の早すぎる死は、世界中の音楽愛好家によって悼まれました。グレン・グールドは、レコーディングやマスメディアへのその他の貢献を通じて、音楽的アイデアや演奏の豊かな遺産を残し、毎年新しい本、記事、演劇、映画、ドキュメンタリーの題材となり、常に挑戦とインスピレーションを与え続けています。新しい世代。
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私のplaylist byマサコ
http://kaikyou.exblog.jp/242091598/
2024-02-15T21:14:00+09:00
2024-02-15T21:14:33+09:00
2024-02-15T21:14:33+09:00
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音楽・美術・哲学・宗教
これは好きな順番で並べたものではありません。
目下「お気に入り10」の一覧です。
1 アルフレッド・ブレンデル
Piano Sonata No. 19 in G Minor, Op. 49 No. 1: II. Rondo. Allegrohttps://www.youtube.com/watch?v=fmz2W_f_Bss
2 イム・ユンチャン 11歳ののアベッグ
[錦湖英才コンサート] 2015.10.03
シン・スンミン&イム・ユンチャンピアノ演奏会
https://www.youtube.com/watch?v=mjtw0KFqlPM
3 グレン・グールド 14歳 ショパン「即興曲」
Young (14 years old) Glenn Gould plays
Chopin Impromptu No. 2 op.36 in F-Sharp Major. (1946)
https://www.youtube.com/watch?v=Ly8YQCOeitQ
4 田中希代子 ドビュッシー「ベルガマスク組曲」 田中希代子:ベルガマスク組曲(ドビュッシー)
https://youtu.be/1_yxaNkb7SE?si=HYQkUsnfftDG0goz
5 トミー・フラナガン overseas 全曲
https://youtu.be/mddEWI0NlXg
https://youtu.be/mddEWI0NlXg?si=sD4MbyPJlhHxoQEj
Recorded - August 15, 1957 - Stockholm, Sweden
6 イム・ユンチャン ショパン「練習曲op25-1」エオリアンハープ
[FRIX アンサンブル創立演奏会]
Chopin:Etude Op25、No. 1
https://www.youtube.com/watch?v=iZn0HhVE2RE
7 田中希代子 1955年ショパンコンクールでの「ノクターンop15-1」
Kiyoko Tanaka – Nocturne in F major, Op. 15 No. 1 (1955)
https://youtu.be/Ivs28P9CvZQ?si=lYMFKOun9u5Ed6vF
8 トーマス・シュワン バッハ「平均律全巻」
Bach WTC I Well-Tempered Clavier Book 1
Complete Live Performance - Thomas Schwan, piano
Dallas,TX March 2, 2019
https://www.youtube.com/watch?v=IImakFsEHL8&t=421s
Bach WTC II Well-Tempered Clavier Book 2
Complete Live Performance - Thomas Schwan, piano
Dallas,TX October 15, 2022
https://youtu.be/MNkWa4__OO8?si=J1P7eCZEq5K4A8Ui
9 グレン・グールド モーツァルト「ピアノソナタハ長調K.330」
Gould/Mozart Sonata in C major, K.330 (stereo)
Recorded in New York, January 7-10/1958
https://youtu.be/lTsu8wBl4N0?si=UcTpUcndkmJUyjR_
10 ハン・ジェミン ハイドン「チェロ協奏曲 第1番」
17歳の天才チェロ奏者ハン・ジェミンとチョン・ミョンフン指揮
ハイドンチェロ協奏曲 第1番
生々しいバックステージの現場まで!
2023年9月1日(金)20:00 /芸術の殿堂コンサートホール
https://www.youtube.com/watch?v=nvu1M5vt_FQ
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Yunchan Lim 大阪公演 byモニカ
http://kaikyou.exblog.jp/242089241/
2024-02-12T21:06:00+09:00
2024-02-21T02:20:20+09:00
2024-02-12T21:06:21+09:00
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音楽・美術・哲学・宗教
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昨日は待ちに待ったユンチャンのリサイタルでした。
会場30分前に到着しましたが、ロビーには入れず、寒い外で待つことに。
続々と人が集まってきます。
予約券交換の人や当日券を買う人も結構並んでいました。
舞台に登場したユンチャンは椅子に座りながら最初のエチュードを弾き始めました。
コルトーの録音しか聴いたことがないので、古い録音とライブで比べ用もありませんが、ゆっくりしたテンポの1音1音味わい深く、yunchanの大切にする世界の始まりでした。
op10&25のエチュードではその音のレンジの幅広さにびっくりしました。
赤ちゃんの指先で弾いているかの様なpppが会場に染み入るかと思うと
ホールが壊れんばかりのfffが炸裂します。
でもその音は割れ濁ることなく、とてもクリアでした。
また、10本の指がそれぞれオーケストラのメンバーが各楽器を演奏しているかの様に、さまざまな楽器のような音色でピアノを音を彩ります。
まるでユンチャンが10本の指を楽器にして指揮をしている様に感じました。
10日間で5回もこのプログラムのリサイタルは、いくら彼が若いとはいえ、無理がある様に思うのは私の歳のせいでしょうか。
あの音のために使われるエネルギーと肉体の疲労を思うと、彼にとって大切なものが失われていないか、心配です。
おそらくもうアメリカに戻られた頃でしょう。
若いから時差ぼけも早く回復するでしょうが、
次のコンサートが続いているのも心配です。
会場には「弾丸ツアー」で来日した韓国人も多く、
その中の一人とお話ししましたが、韓国ではいい席を手に入れることはできないけれど、今回は一番前のチケットを手にできてとても幸せとのこと。
チケットの先行発売の時に、ネットに入ってすぐなのに、多くの席が予約されていたのは韓国向けに確保されていたのだとわかりました。
もっとユンチャンのことを知り、その演奏に聴きたいと思う日本人がが増えることを願っています。
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ユンチャン・リム 大阪公演2024年2月 byマサコ
http://kaikyou.exblog.jp/242088821/
2024-02-12T11:51:00+09:00
2024-02-21T02:23:59+09:00
2024-02-12T11:51:52+09:00
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音楽・美術・哲学・宗教
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その指に 人の心を
ザ・シンフォニーホールでは驚愕の時間が流れていた。
この世に生まれた人間の心の歴史がエネルギーになって聞こえる。
激しいフォルティッシモでは、大地震の時の人々のパニックや建物の崩れる場面や
原子爆弾の実験とその投下など、ホールの天井が落ちてくるような苦しさを
何回も味わう。
そしてピアニッシモではユンチャンの深い集中と同じ静かな喜び。
ショパンのエチュードを奏でるユンチャンの10本の指からは
想像を超える音楽が流れ出る。
音の一つ一つは、それぞれの役割を持つ。
赤ちゃんの指の爪の先で丹念に奏でられた音からは、
息を呑むような柔らかな安らぎのあるエネルギーが
乾いてとげとげした私の心に染み入ってくる。
10本の指は、それぞれが大小のオーケストラやソリストとしてなり響き、
さらには音域が広い歌手の声ともなる。
ユンチャン・リムのショパンのエチュードは、丸ごと人の感情を表している。
私がこれまで聴いた演奏からは、ショパンがこれほどまで
丸ごと感情の作品だと思ったことはなかった。
フランスの哲学者アランは
「愛とは、未来を切り開く人間の本質的な感情」
といっていたが、私にとって愛とは「アガペ」。
感情を乗り越えたものが愛だと思っていたので、
今回彼の演奏を聴いて初めてショパンの本質である感情の愛に
多くの人が共感することがわかった。
納得のいかない やるせなさ、ふがいなさ、寂しさなどどこでも転がっている平凡な空間からたちまち聴衆を神話の時代に連れて行き、時には未来への扉を開けて見せる。
ステージでの彼は、20人もの芸術の子供を立て続けに産む母親だ。
聴衆は、哲学的思考に導かれると思えば、
他愛のない戯れのくつろぐ次元に遊ばせてもらえる。
こんな才能を神から授かった演奏家、イム・ユンチャン。
彼の緻密なナノの世界と地球を揺り動かすエネルギーは、
人々に解放を与える道筋を示すのだ。
舞台での姿は、完成した体操選手や武闘家のようだ。
格調高い足運びやお辞儀の数々には、偉業を成し遂げた演奏家の成就感はない。
仏教の基本的概念の「中・空・無」そのものの佇まいであった。
私の理解では、目指す人の在り方のうち
「中」は、中庸であること
「空」は、人間が抱く先入観や偏見、固定概念をなくすること
「無」は、一切の余計なもの(想念とか感情)がないこと
ユンチャンはクリスチャンであると聞くが、
今回のリサイタルで東洋と西洋、
仏教とキリスト教が混在する素晴らしさを知った。
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アイザック・アシモフ著「ABAの殺人」byマサコ
http://kaikyou.exblog.jp/242086177/
2024-02-09T12:18:00+09:00
2024-02-10T09:46:23+09:00
2024-02-09T11:51:00+09:00
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本の感想など
発行:(株)東京創元社
1979年11月23日初版
訳:河合 裕
数時間で読了
笑いが出ないものを読みたくない私にはうってつけの小説だった。
作家、本を出版する人の心理状態や、業界の状況が手に取るように感じられる。
アシモフお得意の人へのネチネチした感想や、
ガタガタした理屈、屁理屈、正論が繰り広げられる。
推理小説の楽しみは、犯人探しをすること。
私には最初にこの人が犯人と思った人がいたけど、
主人公が関係者にやたらインタビューに行くのに引きまわされて、
結局犯人像がボケてしまったことが悔しかった。
作家としてのアシモフは、ピアニストのグレン・グールドに似ていると思う。
グールドも探偵や推理小説を読んで、もっと笑えばよかったのにと思う。
最近ピアニスト、イム・ユンチャンの登場で、
私にはユンチャン以外のピアニストの演奏が聞き苦しくなってしまった。
あんなに好きだったグールドの演奏さえも鬱陶しくなりかけていたが、
「あしもふ」を読み終えた次の日、その鬱陶しさ、煩わしさが消えていた。
アシモフとグールド。
この2人の丁々発止の世界は驚くほど共通点がある。
ユダヤというべきだろう。
おかげで、今日、2月9日はグールド研究会となって日を過ごす。
いくらグールドの演奏を聞いても体にこたえない。
本がワクチンとなって、グールドアレルギーを起こさなくなったのかもしれない。
この小説では、作者自身を小説に登場させている。本当に厚かましい人だ。
自己中心的なところは、自己主張の激しさとともに至るところで、自己宣伝する。
アシモフ2人が漫才をする面白さがあるのかもしれないが、強烈な個性だと思った。
「寸鉄人を殺す」の言葉通り、この小説家は私をくすぐったり、興奮させたり、
ドキドキさせ、読むのが止められなくなって殺されそうになった。
拝啓、足毛布さま
黒雲後家の会シリーズ5冊とこの1冊だけの読者ですが、あなたはかなりスケベです。
実を言うと、子供の時、写真で一眼あなたを見て、あまりの下品な様子に、
この作家の作品は読まないだろうと予測しておりました。
これも年の功と言うものでございましょうか?
お返事はあなた様の陣地である推理小説の中にてお待ちしております。
マサコ
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ケン・ミラー(ロス・マクドナルド)の遺作「ブルーハンマー」byマサコ
http://kaikyou.exblog.jp/242046591/
2024-02-07T16:28:00+09:00
2024-02-23T16:37:32+09:00
2024-01-12T23:15:35+09:00
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本の感想など
タグ:マクドナルド&ミラー夫妻 ←クリックで記事一覧へ
発行:株式会社早川書房
1978年12月31日初版発行
訳:高橋 豊
正月の間に、ケン・ミラーの「ブルーハンマー」を読むことにしていた。
これが大変な楽しみとなった。
高橋 豊訳も素晴らしいし、解説も美しい。
途中、ちょっとした遊び心でこの本の評判をネットで調べてみた。
「駄作」と言う感想をちらほら見かけた。
1人が言えば、「右に倣え」のように同じ言葉を使うのが気になる。
自分だけの世界に住んでいる人には、著者の物語の内容が掴めないのだろう。
またこの著者に対して解説者が使う「マンネリ」という言葉。
まるで著者を責め立てる様な感じがして嫌だった。
私にはニューヨーカーの書評にある
「同じ主題に関して多くの物語を書く。
もちろん、無限で絶妙な変化を持たせて。」
というのが一番適切な表現だとおもう。
作品には、それを理解できる読者が必要だとしみじみ思った。
さすがに名訳者の菊池光は、この傾向にちゃんと釘を刺している。
訳者・菊池は海外のケン・ミラーについての優れた感想を文章を掲載している。
同じ思いを持つ私は、菊池のこの配慮をとても嬉しく思っている。
ケン・ミラー手持ち本の最後となる菊池訳「眠れる美女」。
気持ちよく読み終えたいと大事に取っている。
~~~~~~~~~~~~~~~~
『ブルーハンマー』に寄せられた讃辞
ロス・マクドナルドは、本書のなかで、再び "父親と母親の罪” という領域に挑んでいる。リチャード・チャントリーという画家の描いた絵が盗まれ、私立探偵リュウ・アーチャーはそれを取り戻すように依頼される。この画家は、実は25年前に何の手がかりも残さず、行方を絶っていた。やがて、チャントリーの画風の絵が、何点か発見されるや、果たして、盗まれた絵は贋作であるのか、それともチャントリーは生きているのかという問題が持ち上がってくる。気まぐれな若者や数多くのチャントリーの親類、愛人、敵のなかで、アーチャーは、次々と殺人事件に挑む!
過去19冊のなかで、彼は病根を持った家庭の専門家となった観すらある。
タイム
新作『ブルー・ハンマー』においてロス・マクドナルドは、過去というものをいままでになく執拗に追求している。そして、何十年にもわたる創作活動のなかでも最高といえる結果をもたらした。
ニューヨーク・タイムズ・ブック・レヴュー
他の良質の作家同様、ロス・マクドナルドは、同じ主題に関して多くの物語を書く。もちろん、無限で絶妙な変化を持たせて。彼が、取りつかれているように追い求める主題は過去 悪魔、幽霊、人間が背負っている過去の報い である。本書でも、いつも通りの穏やかな表面の下には、ー種の怖れ、おののきにも似た雰囲気が漂っている。 ニューヨーカー
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田中希代子生誕92年没後28年によせて byマサコ
http://kaikyou.exblog.jp/241963467/
2024-02-05T00:00:00+09:00
2024-02-05T21:51:21+09:00
2023-10-29T14:48:06+09:00
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Birth & Memorial Day
タグ・音楽・美術・哲学・宗教←クリックで記事一覧へ
タグ:田中希代子 ←クリックで記事一覧へ
田中希代子さんは、苦労と努力の人生を送られた。
34歳から64歳で亡くなるまでのご病気の苦悩も半端ではなかった。
ここに日本の最高女流歌人の若き日よりの短歌を捧げます。
希代子さんはご自宅のグランドピアノの上には
この美しい女性と並んで撮影された写真を飾っておられたそうです。。
私も上皇后様は万葉以来の最高の歌人と思います。
最高の美の世界に住まわれる方から慕われた田中希代子さんの芸術も
申すまでもありません。
今しばし 生きなむと思ふ 寂光に
園の薔薇の みな美しく
彼岸花 咲ける間(あはひ)の道をゆく
行き極まれば母に会ふらし
部屋ぬちに 夕べの光 および来ぬ
花びらのごと 吾子は眠りて
きさらぎの 御堂の春の 言触の
紙椿はも 僧房に咲く
田中希代子:ベルガマスク組曲(ドビュッシー)https://www.youtube.com/watch?v=1_yxaNkb7SE
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中井英夫全集9「LA BATTEE(ラ・バテエ) 砂金を洗う木皿」 byマサコ
http://kaikyou.exblog.jp/241023064/
2024-01-31T17:05:00+09:00
2024-01-31T17:05:17+09:00
2021-06-11T13:00:32+09:00
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本の感想など
タグ:中井英夫 ←クリックで記事一覧へ
AとBとの一番大事なシャシン
多分昭24、2月20日 オレが死んだら
必ずこの写真を伸ばして飾ってくれ
人間はひとりで生きない(どこかに書いた)
必ず二人なのだ
「LA BATTEE(ラ・バテエ) 砂金を洗う木皿」は『中井英夫全集9』に収録されている。
すらすら読める楽しい教養エッセイ。
著者の性格、才能そして感受性が光る。
書かれた年月が大まかに示され、題一つ一つに番号がついている。
これも彼が考えてこうしないと調子が出ないのだろう。
個性豊かな人だ。
* 9 「黒い噴火」
彼のお気に入りの白薔薇、私の想像では木に咲くような感じ。
フラウ・カール・ ドルシュキー。 この名前を覚えたいと思う。
・フラウ カール ドルシュキー – Frau Karl Druschki(姫野バラ園八ヶ岳農場)
https://himenobaraen.jp/item/frau_karl_druschki
・NOIBARA - TOP > バラ図鑑 > その他 > フラウ カール ドルシュキ
http://www.noibara.net/encyclopedia/other/encyclopedia-314.html
* 10 「遠い弔鐘」
引用 p135
なぜ古来これだけ多くの人間がいるというのに、誰ひとり自分の死が怖くて発狂した奴がいないのはどういうわけだろう。
「自分の死が怖くて発狂した奴がいない」
最初、このセリフはいいと思ったけれど、
徐々に彼の周りにはそういう人がいなかっただけだろうと思った。
中井はいつも死にたがっていたというよりは、ボードレールと同じように
この地球以外のもっとましな世界に出たがっていた。
頭が良くて感受性が鋭く、なんでも気づく人だから、生きにくかったことはよくわかる。
彼がほとんど松本清張・吉川英治・黒岩重吾の作品に触れてない様子は、
おそらく若い時代に難病にかかったこともなく、
また生涯を通じて食べるのに困ったこともないせいだろう。
* 23 紫陽花の畔には
これは亡くなった伯父を思い出して涙がこぼれた。
引用p142
唐突に思い出されるのは兵隊に行く前、友人と街を歩いていると、ふっと彼がはにかんだように笑って楽器店の前に立ち止まったことである。当時は1時間いくらでピアノを貸してくれるシステムだったので、私もそれと察して2人は中に入った。しかし忘れられないのはそのとき彼が弾いてくれた曲ではなく、「ちょっと寄ってゆこうよ」というこなしで見せた恥じらいの笑顔であり、むろんこの友人は兵隊に行ったまま帰らなかった。
* 24 「老いの歯」
中井はおそらく将来これ以上の小説を書ける希望もなく、
書くことに一心不乱になるよりは、
机に向かうと結構よそごとを考えてしまうタイプではなかったと思う。
そのかわり、彼が小説を書いていない時にアンテナを駆使して、
何もかも感じ取ってしまう人だったという事はわかる。
露骨にも若い人から「エッセイしか書けないじゃないか」式のこと言われている。
そんな彼は書くことと執筆の様子をユーモラスに綴った名文がある。
引用p144
小説を書くと言う作業、少なくとも書き始める作業は、できるだけ深くできるだけ長く息を詰めて潜る海女(海士)の仕事に似て、原稿紙にペンをおろさぬ限り何も始まらない。いくら頭の先でたぐいまれな真珠貝を夢見たところで、それを手にできるのは実際に海底へ潜って呼吸困難になるしかないことは判りすぎるくらい判っているので、真白な原稿紙はいつまで経っても真白なまま、いやだ、できないと脂汗を垂らす仕儀に立ち至る。それでも”〆切 ” の一言で否応なく飛び込むところは、海女というよりイルカのたぐいかも知れない。そういえばなぜイルカという奴は、いつも鼻に皺を寄せて笑うような表情をしているのか、気になるところだ。
小学校へ入る前から小説、小説と思い詰め、それでいてこうも作品の数に乏しいのは、肝心な20代・30代に頭の先でばかり小説を考えていた酬(むく)いだが、どこまで行っても薄暗い曠野、手にできるのは刃こぼれした剣、切るべき相手は実体のない幻影という終末は、たとえノーベル賞作家であっても用意されている光景だろうから、数ならぬ私などが愚痴をいっても始まらない。高橋康也氏に教えられた ” 驕り = 語り“ の図式をフルに活用して、一口飲めば幻影の城を夢見ることのできる美酒を醸すことだけに専念するとしよう。
おかげさまでその美酒で満足させていただいてます。
文字のアルコールですから、他人に咎められなく飲めます。
体・頭・心にも良いようです。ありがとうございました。
まだあった。最後の締め。
引用p145
旧詩貼から1行。
<見られた、と知って動き出す時計。……>
引用p170
そういえば『幻想博物館』当時のこよない助手だった青年が去年山小屋に来てこんなことを言った。
「1つだけ訊いていい?」
と前置きして、
「中井さんて、もしかしてエッセイストなんじゃないの」
ーおおきに違えねえ、と唸ったが、この調子では今度会ったとき何をいわれるか知れたものではない。
中井は小学生の時から、潜在意識に「小説を書かなければ」と言う気持ちがいっぱいだった。
彼は一生小説が書けないことを怠け者のせいにしていたけれど、
社会の実体験で身に沁みたものがなければ実生活小説では迫力が籠らない。
黒岩重吾を熟読し、松本清張を尊敬してきた私にはその違いがわかる。
中井は太宰治を深く理解し、その他の文学作品の理解も深い。
日本の文学史に異色の花を添えた立派な文芸人である事はわかる。
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法頂著「無所有」 byマサコ
http://kaikyou.exblog.jp/242060435/
2024-01-23T19:36:00+09:00
2024-01-23T19:57:51+09:00
2024-01-22T13:21:48+09:00
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本の感想など
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発行:東方出版
2001年9月20日初版第1刷
2007年9月10日初版第2刷
訳 : 金 順姫
ようやくあたりが静かになり、読書に励もうとした。
この本では静かな心が持てるだろうと期待して手にしたのが
イム・ユンチャンの愛読書「無所有」。
そして、p11「私の趣味は」で、
ユンチャンのピアノ同様を聴く時と同じ静かな爆弾を喰らった。
それはゴルフについてか書かれている章。
ゴルフについては思い出がある。
私が小学校の2年生だった頃、近所に住む同級生と話をした。
会社員の娘である彼女は父親がゴルフをすることを誇り
「うちのパパはレベルが高いからゴルフをするのよ。
あなたのお父さんは程度が低いのね」
みたいな雰囲気を醸し出していた。
65年前にすでにあったホームバーで彼女は得意げに
パパのブランデーをグラスに注ぎ、飲み方など教えてくれた。
著者・法順和尚の静かなエネルギーはすっきり爽やか。
人を押さない素晴らしい世界に住んでおられる。
ゴルフについての考察が鋭く、長年私の考えていた事なので呆気にとられた。
発行された1976年から25年経っても売れ続けていたそうで、
その息の長さに韓国の人々の高い見識と文化に感心する。
p11『私の趣味は』からの引用
趣味は人間の顔ほど多種多様である。趣味は、どこまでも主観的な選択によるもので、そんな趣味に関して、だれもどうのこうのと批判できるものではない。他人が見ると、どうしてあの人はあんなことをするのかと思うのであるが、当人にとっては何者にも取り換えられないかけがえのない絶対性を持つものなのである。その絶対性が、ときには盲目的である場合もある。そのため、度が過ぎて、浪費的で頽廃的なものまで、趣味と言う名の下に大っぴらにまかり通っていることもある。
~~~ 中 略 ~~~~
「ゴルフは、人間の罪を罰するために、スコットランドのカルビニストたちが創り出した伝染病だ」(R・ベイカー)といった言葉を思い出してみるべきではないだろうか。
今日、私たちの現実は個人の基本権であっても国力の総和のためには仮借なしに留保しなければならないのが実情である。特定の改装だけが楽しむ趣味は、社会的階層意識を募らせて、ついには国力の弱化を招来すると言うところに問題があるのである。このような現状はいわば維新の理念に符合するものではないはずである。ここで望まれる趣味とは、自分だけが楽しむというのでなく、高潔な人格を育て、人生の意味を深化させ、いっしょに暮らしている隣人にも肯定的な影響を及ぼすことができるものでなければならない。
今、私の趣味は、果てしなく終わりの見えない忍耐である。(1973年)
28歳半で初めてカナダに旅立った時、寄宿した家のご主人がすぐさま、
「カナダではゴルフは日本のような事はないよ。
すごく気軽な誰でも楽しめる遊びなんだ」
と教えてくださった。
その言葉を聞いた途端、やっぱりカナダに来て良かったと思った。
肩の凝りがほぐれたような気がした。
ユンチャンの演奏を思い出させるエッセイ。
p7『復元された仏国寺(ブルグッサ)
日中の暑さにもかかわらず、初秋の兆しがしのびよってくる早朝、井戸端に出てみると、気の早い落ち葉が水にぬれて辺り一面に散らばっている。まとわりついてくる霧の重みに耐えられなくて散ったのだろうか。夜、林の中をかけぬける驟雨の音を夢うつつによく聞く。夏の日に注ぎきれなかった熱情を晴らしているのだろうか。雨に洗われた空があんなにも高くなった。もう夏の雲ではない。
ユンチャンは、この詩ような文章通りのピアノを弾く。
読んでいると、音楽が浮かんでくるように素晴らしい。
法頂和尚について
一生を山で寂然不動の姿勢で清く美しく暮らしてきた。
名僧暁峰大和尚の下で24歳の時出家。
ハングル大蔵経の訳経委員、仏教新聞主筆、松広寺修練院長を歴任した後、
1970年代後半にそのすべてを振り払って松広寺の裏山に自分の手で仏日庵を建て
一人で暮らした。しかし、名声を聞き訪ねてくる人が跡を絶たなくなると、
随想集『すべてを捨てて去る』を書いた後、ひっそりと江原道の山奥に入り、
居所を隠し現在に至っている。『無所有』より
https://www.hmv.co.jp/artist_%E6%B3%95%E9%A0%82_200000000647189/biography/
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Yunchan Lim「栄光の雲を引き連れて」 byマサコ
http://kaikyou.exblog.jp/242046584/
2024-01-21T15:02:00+09:00
2024-01-22T11:03:15+09:00
2024-01-12T23:05:32+09:00
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音楽・美術・哲学・宗教
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2023年1月9日、ソウルの明洞大聖堂でのコンサートで、
ユンチャンはアンコールにベートーヴェン「バガテルop33」から一曲だけ弾いた。
アンコールの「バガテル」のみ
https://youtu.be/uot-FzSto20?si=Mkjs0hSvCmWJ_MEr&t=4006
コンサート全曲
https://www.youtube.com/watch?v=uot-FzSto20
10日後の1月19日にロンドンwigmore hallでは「バガテルop33」を全曲演奏。
クラシック音楽の伝統があるロンドンでは
バガテルが何より喜ばれるとわかっていたのかもしれない。
だとするとピアニストとしては賢い選曲だ。
早春には、その時の演奏のyoutubeの視聴回数は百万回を超えるだろう。
クラシックの音楽業界でユンチャンが選んだこの地道な曲目が、
これだけの人気を集める事は21世紀の輝かしさの1つである。
ユンチャンのベートーヴェンの「エロイカ変奏曲」への傾倒は、
ライブ演奏で数多くの演奏を残しているグレングールドと同じ好み。
ユンチャンは変奏曲が大好きだと言う。
それならチャイコフスキーの「シーズンズ」全12曲を弾いてほしいと思っていたら、
クライバーンコンクールの時のホストファミリーのジェフさんが、
練習中、ユンチャンが「シーズンズ」を弾くことがあったと教えてくださった。
その後、世界各国でのリサイタル、あるいはアンコールで、
彼のこれ以上の演奏はもう出ないと思える「シーズンズ」が響き渡った。
この世で1番ほっとする飽きの来ない音楽にいつも包まれる僥倖。
彼の演奏とともに、私はおいぼれの身にムチ打って、庭仕事や料理に励むことだろう。
限りなく、美しい心を持つピアニストを世に贈ってくれた神様に心から感謝。
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1月19日のロンドンデビューについての The Cliburn 記事から
昨日、ユンチャンはウィグモアホールでスタンディングオベーションと2度のアンコールを受けて凱旋ロンドンデビューを果たした。タイムズ紙では「栄光の雲を引き連れてロンドン・デビューを果たした若いピアニストがいるとしたら、それはこの18歳の韓国人だ」と五つ星の書評を寄せた。
「栄光の雲を引き連れて.....」は聖書の黙示録1-7からの引用。
正しくその通りと胸が熱くなった。
パフォーマンスはこちら:
https://www.youtube.com/live/RJeGcWZ-K5Q?feature=share
The Times のレビューはこちら:
https://www.thetimes.co.uk/article/yunchan-lim-review-this-18-year-old-korean-piano-star-is-the-real-deal-cpczb0swt?shareToken
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ダグラス・スコット著「愛と憎しみの果て」byマサコ
http://kaikyou.exblog.jp/242031380/
2024-01-13T12:43:00+09:00
2024-01-14T20:39:52+09:00
2023-12-26T13:02:44+09:00
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本の感想など
発行:株式会社創元社
上下巻 1993年3月26日
鴻巣友季子訳
鴻巣さんは、この重大な小説を20代で見事に訳した。
昨年還暦を迎えた彼女の仕事の中でも、最も優れた訳の1つ。
第一次世界大戦の頃、トルコ人によるアルメニア民族の大虐殺。
死亡者、300万。
1993年この書物のことを知った。
私はトロントでアルメニアの人々と親しく交わった思い出がある。
そこで彼らの歴史・どんな背景があってカナダに移住してきたのか知ろうと手にしたが、残虐な話が辛くて途中でダウンし、実際読めたのはそれから30年後であった。
全体の構成も内容も素晴らしい。
改めて素晴らしい作品を読むことの人生の意義をもろに感じた。
1番好きなシーンは冒頭。
アルメニア人の両親がトルコ人に虐殺されて、赤ん坊だけが残る。
その子がトルコ人の兵士たちを魅了。
トルコ側の子供のいない家庭に届けられる。
生まれながらにして、民族の不調和を物ともしないエネルギーを持つ子供が、どんな一生を辿るか丁寧に書かれている。
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推理小説界おしどり夫婦 ケネス・マーガレット・ミラー夫妻 byマサコ
http://kaikyou.exblog.jp/241993025/
2023-12-25T21:06:00+09:00
2024-02-23T16:39:53+09:00
2023-12-07T19:24:15+09:00
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本の感想など
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今年は不思議な邂逅が続いている。
まずは6月14日のユンチャン・リム。
そして夏に知った推理作家夫妻、ロス・マクドナルド(ペンネーム)。
その夫人マーガレット・ミラー。
以来、この3人の世界にはまり込み続けている。
推理作家夫妻は移民の国のカナダ出身。
その後長く北米のサンタバーバラで暮らした。
それ故、作品にメキシコ系やメキシコの話題が出るのも興味深い。
ご夫婦だけあってて、彼らの作風には共通点がある。
それは夫のマクドナルドは少年期、病気のために身体障害者となった母親を庇いながら、親類の家を転々としてある時期までに、50回も引っ越ししたということ。
それゆえ、私がマクドナルドの作品にカポーティに共通した人物を見るとき、
「悪意? 善意?」と目を見開いて観察する登場人物の様子に
同じ共通点を感じる。
マーガレットさんは、少女期に鬱屈した経験は無いようだが、
心に愛があるのは作品から感じ取れる。
トルーマン・カポーティがマーガレットさんの大ファンで、
「彼女が新作を書いた」との噂を耳にすると、
出版社に「早く出版して」と電話をかけるほど。
江戸川乱歩もマーガレット作品を読んでいる。
本名がケネスで、たびたびペンネームを変えた夫のマクドナルドさんは、
米国の推理小説3大巨匠の1人に挙げられる。
夫婦同僚で同居を続けた様子が、どんなものだったかも興味がある。
少年時代から苦労と不幸に見舞われたロス・マクドナルドが生活がほっとしたときに、過去のトラウマに苦しんだ様子も理解できる。
その時彼を助けたのは、近くに住むイギリスから移民した詩人だったことも興味深い。
魂の身内と感じる3人存在に出会えた喜びを神様に感謝する。
マーガレット・ミラーさんのファンだったカポーティさんも一緒に載せてあげよう。
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手袋 for 電磁波 byマサコ
http://kaikyou.exblog.jp/240961192/
2023-12-25T12:41:00+09:00
2024-01-16T12:44:38+09:00
2021-05-06T15:23:25+09:00
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グループスピカ
あ、iPadのカバーがない。
いつ丸裸にしたかさえ、覚えていない。
そして朝早くしていたはずの手袋の左手をさがす。
(電磁波侵入を防ぐのに必要)
ナイッ
あるのは3種類の右手だけ。
つくづく情けなくなって、良いことを考える。
長年、GGが日光・化学物質過敏症なのになぜ「電磁波」はないのか?と思っていたが、ある日「部屋の中でも手袋をしていた」の話に
「やっぱり『電過男』だった」とより一層GGの苦しみに共感したことを思い出した。
同病、相憐れむ。
愛しあえなくても、才能はなくても、
共通点一杯のファンの喜びは確実である。
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リュドミラ・ウリツカヤ著「ソーネチカ」 byマサコ
http://kaikyou.exblog.jp/242011233/
2023-12-17T13:22:00+09:00
2023-12-17T13:22:01+09:00
2023-12-13T13:34:09+09:00
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本の感想など
発行:株式会社新潮社2002年12月20日発行2017年8月25日10刷訳:沼野恭子
次から次へと恥ずかしい話と思われる話も大胆に書いていくところなどは、
見上げたものだと感心し、少し見習いたいなぁと思いながら、
面白くて、あっけないほど短い時間で読んでしまった。
白が好きな私にはぴったりの本だった。
しかしこの読むのにくたびれるインクの薄さはなんだろう。
ただの思い過ごしかもしれないが、
早川の縦長本と新潮クレストブックは、特にそう感じる。
不細工で本読みが大好きなソーネチカ。
ソ連時代の暴政の様子が見え隠れする織り込まれ部分。
被害を大きく書くのではなく、むしろ小さな細々とした日常生活の綾や
人の様子が余すところなく描写される脇に挟んでいる。
人間関係や人の性格がよくわかるのは、
食い下がるように形容を重ねるのを得意とする作者らしい作品。
寛大な女性が、愛を持って、美しい人生を生き切った。
今までに夫に踏みにじられる妻の記録で、よく覚えているものが2つある。
1人は手記。もう1人はテレビ番組に出演した人の話。
見上げたものだと感心して見習いたいなぁと思った。
1. 夫を憎まず理解する。
2. 相手方の女性を大切にして競争しない。
3. 2人の人生と未来を祝福する気持ちで日々を過ごす。
そういえば、ショパンのロ短調の前奏曲を練習している生徒に
「この曲はね、旦那さんに浮気されている奥さんの気持ちなの」
「私もいつかそうなる.....」と言うと思い切り笑われてしまった。
多分そうなる事は無いでしょうと言いたかったのかな?
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