若菜(上) 女三宮の香と猫 byマサコ |
ペーパー版「海峡」の新スタイル
by grpspica カレンダー
検索
メンバー
ノリコ:2000年セミリタイヤしたのにまだ現役の弁護士 モニカ:元ピアノ教師 得意分野はネットを駆使しての調査 マサコ:シャーマン 得意分野は音楽・文学・哲学少々 mari :お絵描き芸者 先祖は猫 ミクシのグールド&ナボコフコミュからお訪ね下さった皆様へ--- グールドと音楽に関するマサコの文章は、 my life with gg (グレン・グールド) に移動しました。 ナボコフ関連のエッセイは、検索して下さると、出て来ます。 ブログの輪 musolog AROMAISM〜アロマ主義 ややバッハ日記 ☆ホメオパシ−と医学と私☆ 弁護士村上秀樹のブログ daisaku's view 津久井進の弁護士ノート life あゆさんのブログ お玉おばさんでもわかる 政治のお話 カテゴリ
全体 初めてのかたに 目次 グループスピカ 命・平和・人権 音楽・美術・哲学・宗教 本の感想など 映画・ドラマ 恩地孝四郎 旅・国内 旅・台湾 旅・ヨーロッパ 旅・韓国&アジア Birth & Memorial Day アロマ&ホメオパシ? 蝉・蝶々・駝鳥・他生き物 blogの輪 mhara用 アガタメモ 未分類 タグ
マサコ(2225)
モニカ(651) ノリコ(272) 黒岩重吾(257) グールド(234) mari(216) 音楽・美術・哲学・宗教(184) 語学(128) 小松左京(105) コリア・ハングル・韓ドラ(97) 田中希代子(85) ルーツ(76) 日ノ本学園・戦争とわたし(66) アジア人作家(62) ニーチェ(59) ナボコフ(56) 奄美&沖縄の旅(49) 第2回 台湾の旅(45) 第7回 台湾の旅(44) 阿波丸&石崎キク(41) 大手拓次(39) コリアーナ(35) ウ・ミンイー(31) Yunchan Lim(27) 佐藤春夫(26) 東門の家(25) 第1回 台湾の旅(24) 共謀罪(24) 第5回 台湾の旅(23) 第3回 台湾の旅(23) 中井英夫(23) シュナーベル(19) 第4回 台湾の旅(18) 第6回 台湾の旅(16) 在日コリアンの回答(16) カポーティ(13) うつ病(13) 松本清張(11) 水道町の家(9) シュルツ(9) カルヴィーノ(9) コルトー(8) ロレンス(7) 吉田 博(7) ダチョウ(7) ピアニスト(6) リパッティ(6) フィッシャー(5) フェリア(4) 劉 慈欣(3) 安部公房(3) マクドナルド&ミラー夫妻(2) 吉田 博 (2) チェーホフ(1) ノリコ&モニカ(1) マサコ&モニカ(1) 最新のコメント
記事ランキング
以前の記事
|
2022年 05月 05日
源氏物語は「朝顔の巻」で止めたから私も俗に言う「朝顔源氏」である。 しかし女三宮の息子・薫は体の香り良いことで有名であることは知っていた。 薫の香りについては物語に度々登場するし、読者のコメントも多い。 否定的な「あれはワキガだ」とか「良い香りではなかったのではないか」など。 私はそういう文章を読むたびに「そんなはずはない」と思っていた。 それに反し母親の女三宮の体の香りに関する文章を見つけたいと気にしていた。 このたびようやく女三の宮の体臭について書かれた箇所を見つけた。 それが「若菜上の巻」である。 衛門督は、やるせない気持ちをまぎらさうとして猫を招き寄せ、抱きしめると、まことにかぐわしい匂ひがして、いぢらしく鳴くにつけて、まるであの方であるかのやうに離れがたい思ひがつのるとは、本当にひたむきな恋ごころ。(丸谷才一・訳) *衛門督(えもんのかみ)とは女三ノ宮を慕う柏木のこと 続いて丸谷さんは、柏木の狂おしいまでの女三ノ宮への想いをこう綴る。 苦心の末この猫を手に入れて、夜もそば近くにやすませ、夜が明けると猫の世話をして、撫でたり食べものを与へたりなさる。人にうとうとしいたちだつたのに、すつかり馴れて、何かのときには衣の裾にまつはりついたり、身を寄せて横たはつたりしてなつくのを、実(じつ)があつてかはいいと思ふ。もの思ひに沈み、縁先近くで物に寄り臥してゐるところに来て、「ねうねう」(寝む寝む)と、とてもいぢらしく鳴くので、撫でてやつて、いやに床急ぎするなあと微笑なさる。(丸谷才一・訳) ところで梅原猛氏は私が知る「女三宮の芳香」について言及したただ一人の人。 こんな内容を話しておられた。 「源氏物語の中で体の匂いが良いと言われているのは女三宮。 僕は源氏に登場する女性の中では彼女が好きです」 母子ふたりの芳香は、DNAのせいである。 紫式部がこの二人の体臭について特別に言及していることからみて、 これはお香の移り香ではない。まちがいなくDNAである。 なぜなら私の身内にも香りのよい女性が3人いた。 ベビーシッターをした赤ちゃん2人と親友に1人。 都合6人から、うっとりする素晴らしい香りを分けてもらった経験があるからだ。 香水をつけないのに、体から衣服に染み込むすばらしい匂い。 この香りのいい赤ちゃんと公園に行くと、周りに人が集まり「抱かせて」と頼まれる。 みんな「いい匂いの赤ちゃん」と喜んでだっこしていた。 女三ノ宮の猫の匂いについて素晴らしい解説を発見したので紹介する。 *Tricky Days ~三流コピーライターによる短歌と書評 日本文学史上最高の猫? ~『源氏物語』より ************************************ #
by grpspica
| 2022-05-05 00:00
| 本の感想など
|
Comments(0)
2022年 05月 04日
「源氏物語」与謝野晶子訳から 竹河(部分)財団法人黎明会所蔵 少女時代に源氏物語に夢中になったことがある。 しかし「朝顔の巻」であっさりを辞めてしまった。 人にはそれぞれ「落伍源氏」の歴史があると思う。 私がストップしたのは、谷崎潤一郎文学のを読むのをやめたのと全く同じ理由。 「社会性のなさ」がその原因。 この物語を世界最古の女流が描いた長編小説と賞賛する向きもある。 もちろん「社会性」を求めても、平安時代の閉じ込められた世界。 今のように情報がない時代だから仕方がないかもしれない。 しかし私には、谷崎文学のような「社会性がない文学 = 悪」と思えた。 のちにサイデンステッカーのエッセイで 「谷崎作品は、海外の批評家に『悪魔の文学』と評されたと聞いて 谷崎はしょげていた」 と書いてあった。 それを読んで、やっぱりなぁと思ったものである。 グレン・グールドはゴールドベルク変奏曲を 「ボードレールの恋人たちのための音楽」といった。 私はグールドが『光源氏』に思えてならない。 グールドの放つ光の波は光源氏のイメージ。 30の変奏曲の中の数曲には登場人物の面影を感じる。 梅原猛氏のエッセイに 「源氏物語に登場する女性の中で自分の好みのタイプは、 体の香りの良いと言われた女三宮」 とあるのを興味深く読んだ。 女三宮は若くして源氏の最後の正妻となった。 年齢のせいもあるだろうがおとなしく子供っぽいところがあったそうだ。 紫式部は全てにおいて鋭敏な女性である。 「若菜」からがいよいよ面白くなるといわれる源氏物語であるが、 猫の登場の仕方も最高で、猫好きの方々にはたまらない作品だろう。 *********************************** #
by grpspica
| 2022-05-04 15:36
| 本の感想など
|
Comments(0)
2022年 04月 26日
三日間集中した林芙美子の「浮雲」の朗読を聞き終えた。 1903年生まれ。 長編の「浮雲」には、戦争体験も含まれている。 全編を貫いているのは、アル中と色事、そしてお金・対人関係。 時折、社会に関係した歴史が学べる内容が挟まるのでほっとする。 冒頭、敗戦後の引き揚げ、日本到着から始まる。 それから過去のことがぼつぼつ出てくる。 女性主人公・ゆき子(農林省のタイピスト)が、軍属として、ベトナムに行く。 異国の話を聞くのは大好きだから、これは良いなぁと思った。 ヒロイン・ゆき子の片意地・負けん気・ 苦節は、林芙美子の面影のよう。 ベトナムでゆき子が考える事は正常で、日本の誤りもよく捉えている。 山奥に行って植物の研究をしている設定は、父親の中井英夫が植物学者で、 軍人として南方に赴き、鶴見俊輔と出会っていたことと重なる。 かなり詳しい植物の話があるから、朗読を聞き続けることが出来た。 音楽を聴くのに楽譜が必要なように、画面字幕に助けられた。 聞き慣れない言葉や聞き取りにくい音声があると、何度も字幕で確かめることができた。 「ベトナム」で思い出した本。 ドキュメンタリーの触れ込みもあり、児玉清さんが絶賛された本。 ネルソン・デミル著「UP・COUNTRY 」は私はいまだに読破できない、 果たして朗読だったら、最後まで聴き続けられるだろうか。 朗読は翻訳と一緒。 まず朗読者の声の質・言葉の形が合わないと長く聞くのは苦痛な時がある。 この録音はその点でも恵まれていた。 1本一時間以上の録音が15回分。そして最後は1時間30分。 そんな長時間でも、聴き通すことができた。 朗読 林芙美子『浮雲』其の一 朗読 林芙美子『浮雲』其の二 朗読 林芙美子『浮雲』其の三 朗読 林芙美子『浮雲』其の四 朗読 林芙美子『浮雲』其の五 朗読 林芙美子『浮雲』其の六 朗読 林芙美子『浮雲』其の七 朗読 林芙美子『浮雲』其の八 朗読 林芙美子『浮雲』其の九 朗読 林芙美子『浮雲』其の十 朗読 林芙美子『浮雲』其の十一 朗読 林芙美子『浮雲』其の十二 朗読 林芙美子『浮雲』其の十三 朗読 林芙美子『浮雲』其の十四 朗読 林芙美子『浮雲』其の十五 🈡 NHK人物録「あの人に会いたい・林芙美子」 wikiから 「急逝の直前、6月24日には、NHKラジオの生放送「若い女性-会ってみたい人の頁」にゲスト出演し、女子大生数人に対し質疑応答をおこなっている。この中で芙美子本人が「すでに晩年であると思い、むだな球は投げない」とも語っていた。この放送時の一部が当時の番組広報用として映像保存されており、NHKアーカイブスのサイト「NHK放送史-若い女性」で動画公開されている(外部リンク参照)。音声は録音保存され、直近では2016年1月26日にNHK第1ラジオで放送された」 そのビデオはこちらで視聴できる。 NHK放送史 「若い女性」 ************************************ #
by grpspica
| 2022-04-26 13:52
| 本の感想など
|
Comments(0)
2022年 04月 22日
キャスリーンの声は、生まれながらの美声であって、温室育ちの花のようにいろいろと手をかける必要など、まったくなかった。彼女の肉体から、水晶さながらの透明な流れとなって湧き出し、新鮮でしかもあたたかい響きを持っていた。この独特で人間味のあふれる音色に、誰もが感動した。イギリスのオラトリオ歌手のなかには、ときどき伝統的な重い声のアルトがいるが、彼女はまったく異なっていた。ジョン・マコーマクはよく、「カルーソーは、テノールと言われているが、単にただ高い声を持っているだけではない」と言っていた。キャスリーンの場合も同様に、低い声を持っているが、アルト歌手の声域を越えている。エルガーのオラトリオ《ジェロンティウスの夢》で、高い変イ音を見事に歌ったのを聴いたこともある。その声は、カルーソーの高音と同じように、豊かな低音に支えられて、充実した美しい響きとなっていた。 私がカルーソーとフェリアの名前を同時に挙げることは、おそらく不思議がられるにちがいない。このテノールは、後にも先にも2度と聴くことのできない、伝説的な声の持主であった。キャスリーンの声も、楽器として最高の響きを持っていて、それだけでも名声を博することができただろう。けれども、これはカルーソーの場合にも言えることだが、この2人の前後に、彼らほどの声の持ち主がいなかったかというと、決してそうではない。事実、過去において彼女に匹敵する立派な声のアルト歌手は、何人もいる。 ーある伴奏者の回想ー「お耳障りですか」から p213 日本にはカルーソーのファンは若干いるかもしれない。 しかし私は今までにキャスリーン・フェリアの好きな日本人に出会ったことがない。 名伴奏者ジェラルド・ムーアはその自叙伝の中で、フェリアについて心のこもった長文を綴っている。始めの引用に続く箇所を続ける。 しかしキャスリーンの声は、彼女の生き生きとした鋭敏な感受性と、素直で新鮮な精神から生み出されたものであった。だからこそ、私たちに忘れ難い強い印象を残したのである。彼女の素朴で純粋な、真実を伝える歌は、人の心にまっすぐに訴えかけてきた。これが彼女の名声を、奇跡的と言えるほど高めることになった理由である。彼女の語りかける物語は、お伽噺のようであった。当時親しかった者たちには、今でもそれは甘い夢のように蘇ってくる。振り返ってみると、彼女を愛していたわれわれの心は、彼女の盛りがあまりにも早く終わってしまうのではないかと言う不安に、常におののいていた。 ーある伴奏者の回想ー「お耳障りですか」p214 グーグルマップで「Ferrier Memorial Garden 」を検索した Ferrier Memorial Garden の地図 ************************************ トップの写真が掲載されているページの記事をDeepLで翻訳しました。 日付 2020年7月12日 Author: ランカシュアパスト・ドットコム ハイヤーウォルトン村、ハイヤーウォルトン・ロードのダーウェン川沿いに、キャスリーン・フェリエの記念碑が建っている。1912年、この小さな工場のある村に生まれた彼女は、同世代で最も有名な歌手の一人である。この記念碑は、キャスリーンの早すぎる死から40年後、1993年9月22日に除幕された。当時、彼女の人気は女王に次ぐものであったと言われています。 この記念碑は、ブラックバーンのウィルプシャーにある1800年代の家屋から回収されたケーン石灰岩でできています。歌手にちなんで名付けられたピンク色のキャスリン・フェリエ・ローズが特徴的です。青いプレートにはこう書かれている。キャスリーン・フェリアー CBE 1912年4月22日生まれ。国際的に有名な歌手、彼女の歌声は多くの人々に深い喜びを与えた、1912-1953。 記念碑と庭園のアイデアは、地元住民のアン・ブラッドリーとロイ・バニスター・パーカーの2人から生まれました。ロイはエンジニアで、記念碑の建設と碑文の作成を行った。アンはポールトン・ル・フィルデ・カレッジの司書だった。退職後、彼女は郷土史の本を出版し、ハイヤーウォルトンの古い住民から絵葉書、写真、新聞の切り抜き、証言などのアーカイブを集めました。これらはすべて、ランカシャー州の公文書館に保管されている。 アンはこの記念碑について、「数百ポンドの地元自治体の資金と大企業の資金を使って、ゴミと枯れ木の散乱した土地から半エーカーの土地を救い出した」と書いています。庭にはもともと水仙、ブルーベル、チューリップ、スノードロップが植えられていました。 記念碑の裏手には、ダーウェン川に通じる鍵のかかったゲートがあります。このエリアへの道は浸食され、川には急な土手があるため、安全上の理由から閉鎖されたものと思われます。 www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。 ************************************ #
by grpspica
| 2022-04-22 00:00
| Birth & Memorial Day
|
Comments(0)
2022年 04月 21日
童話や詩のような子供向きの読み物。 それが干からびて皺だけ増えてしまった私のため息や愚痴、感謝なき心の切り替えになる。 謎の人物、小松左京は、赤ちゃんの指先のような小さな心で大きな宇宙と宇宙人を地球の人たちに結びつける。 表紙絵を描く人は、小説にふさわしいイラストを描く、といってもまだ7冊を目にしただけだけど。 読んでいると思い出すのはグレン・グールドが彼の師のゲレーロと弾いたモーツアルトの連弾曲集。 その中でもとりわけお気に入りのト長調の曲。 少年グールドの演奏は、われわれ地球人を宇宙の渚に案内するかのように、肌を刺激する。 音楽と文学というそれぞれのジャンルで、優しい指先の密やかな力で、永遠なる世界をこの世に示した天才的巨匠たち。 今一度その純粋さと童心の奇跡に触れて、感謝の気持ちで一杯です。 今後の若い世代が、どう宇宙と関わるのか? 凡人の私には見当もつかない。 幼い時からこれを読み聞かせて、宇宙人との接触が何でもなくするのがいいのか、 今の3次元の内容だけで育てるのが良いか? 小松左京の子供向けSFはその両者のバランスも絶妙。 思わず微笑む名作は、妙なる音のように私の心の耳に届いている。 解説は谷川俊太郎。 引用p159 小松さんがこの本の中で、さまざまな面白いストーリーのかたちをかりて表現していることの奥には、人間と言う地球の住民にたいする深い愛情がかくされている。地球をほんの少しでも住みよい、いい星にしたいという願いが、小松さんにこれらの物語を書かせたのだ。小松さんが心の中にもっているのと、多分そっくりな願いをこめて、むかしぼくも次のような詩を書いていた。 人々が地球のさびしさをもっとひしひし感じるように ねむりのまえにぼくは祈ろう (ところはすべて地球上の一点だし みんなはすべて人間のひとり) さびしさをたえて僕は祈ろう ー「祈り」よりー (詩人) *********************************** #
by grpspica
| 2022-04-21 00:00
| 本の感想など
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||