憲法9条Q&A 5 byノリコ |
では、日本はどのように国際貢献するのですか?自衛隊は解散するのですか?
回答10
軍隊を派遣することは国際貢献にはなりません。
たとえば、インド洋での地震・津波で、インドネシアを中心とする多くの国で、被災者が出ています。このような際に必要とされるのは、医療と食料などの支援です。
日本は世界有数の地震国であり、台風の被害、火山の被害など、自然災害の危険性が非常に高い国です。10年前の阪神大震災、去年の台風23号や、新潟大地震は日本人にその事実をつきつけました。
日本において、国民の安全のために必要なのは、大規模な充実した装備を持ち、訓練のされた災害救助隊です。
これまでは、自衛隊がその役割の多くの部分を担ってきました。しかし、自衛隊の本質は軍隊ですから、災害救助に不要な軍事訓練、武装に大きな時間とお金と資源を費やしています。
自衛隊は解散して、国内的国際的災害救助緊急部隊を編成し、日本国内でも海外でも、大規模な災害に対応できるようになるべきでしょう。このことが、日本が国際社会に出来る最大の貢献です。しかも、この貢献は平和的なものですから、人命を救うことはあっても、人命を奪うことはない貢献なのです。
質問11
アメリカに守ってもらっている日本が、勝手な行動をとれば、日米安保条約にも反し、米軍に守ってもらうことも出来なくなるのではないですか?
回答11
フィリピンは日本に比べて、はるかに経済的にも政治的にも規模の小さい国です。その一方で、日本と同じく、中国との国境問題を抱えています。しかし、米軍基地を撤廃することが出来ましたし、イラクで人質を取られると、派兵していた軍隊をいち早く撤退させ、人質救出に成功しました。日本では小泉首相が人質をとられても自衛隊の撤退を即時拒否したため日本国民の尊い生命を失いました。
アメリカ・イギリスに従って、イラクにとどまっている国はポーランドやオーストラリアなど、20カ国ほどになってしまいました。日本よりはるかに小さく、アメリカのすぐそばにあって大きな圧力を受けるはずのドミニカやホンジュラスなどの中米諸国は撤退し、コスタリカは米英有志連合に加盟していることが憲法に反するという最高裁判決を受けて、有志連合からの離脱をアメリカに通告しました。
これらのごく小さい、しかもアメリカ経済への依存性が、日本よりはるかに大きい国々ができたことを日本ができないわけがありません。特に経済においては、アメリカと日本は持ちつもたれつの関係であり、アメリカに追従し続けなければならない理由はありません。
むしろ、ブッシュ政権のようなやり方に追従し続けていれば、きりがなく、日本が国際社会から孤立することは明白です。
日本はアジアの一員として中国などと協力し、また、アメリカとは独自の発展をしようとしているEU諸国とも強いパートナーシップを持つことができます。従来のアメリカとの友好を維持しつつ、それになんでも付き従うのではなく、独自の平和外交をすることは、日本の発展にとって十分可能だし、とてもよいことなのではないでしょうか。