10年前のゼロ日通信から ニーチェ(2)byマサコ |
タグ:ニーチェ ←クリックで記事一覧へ
1997年4月
「およそニーチェ的な人間は、ニーチェの事なんか書けない」
とおっしゃる方がある。ほぼ同感である。
だのに禁を犯してニーチェの事が書きたい。
先日、7年住んでいたトロントでシングルマザー希望の女性達が、
それぞれ人工受精やその他の方法で妊娠をしようとしているフィル
ムを見た。
今年45才の私にもかつては夢があった。
でも今、ツァラトゥストラの中の
「7つの封印(あるいは「然り、しかあれかし」の歌)」
の中に繰り返される言葉に励まされている。
おお、それならどうして私は永遠を求める激しい欲情に
燃えずにいられよう。
指輪の中の指輪である婚姻の指輪 ー あの回帰の円環を
求める激しい欲情に燃えずにいられよう。
私はまだ私の子を生ませたいと思う女を見い出したこと
がない。
しかしただ1人ここに、私の愛する女がいる。
おおおまえに私の子を生ませたい。
私はおまえを愛しているから、おお、永遠よ。
私はおまえを愛しているのだ、おお、永遠よ。
(訳 手塚富雄)
大海原のように感じることがある。
それと同じように指が1本1本分かれているのではなく、
その海に手首毎、スポッと入って弾いている時がある。
生命は海から生まれた。そして、女性の出産時には、
小さな膣口は手首が入るまで拡がるという。
そんな時に「永遠」という望みの赤ん坊が
ピアノ音楽から生まれてくるのだと信じている。