琉球の蒼 byマサコ |

朝、起き抜けに、咲いているアサガオすら眺めに出られない。
5つ星を自認する園芸家にこれほどの仕打ちはないでしょ。
あんたはそうやって私を胎児の時から、
人間の悲哀と憎悪という感情の撥で、さんざんぶちのめして来たのだね。
「カミサン」なんて、そんなもの。
世界中のテロリストの気持ちの方が、わかる。
世の多くの人々はテロリストの気分に成る程、打ちのめされたことや、辛いことがないのだ。

朝顔を2輪をほんの少しの間、四万十川の水を入れたコップに入れていたが、急に水が勿体ないから飲もうとしたけれど、止めた。朝顔から何が出て水に溶けているかわからない。植物が人を殺したり、狂わせることは有名だから。
スイトピーの種をエンドウ豆のように食べて丸一日気を失った人とか、アジサイの葉を食べて大騒ぎになったとか、美しいものから、こわーいお話は転がり出てくる。

琉球の蒼は宿根で1年目の去年は11月まで咲かなかった。
今年は7月から盛りで、沢山咲いている。
多分12月のクリスマス頃まで、ツルはヒマラヤシーダーに登って咲いてくれるだろう。

県内の農業高校では、暑さで牛の搾乳量が減るのを防ぐために牛舎やテラスのような所を覆う程にこの朝顔を育てた。高校生は「大変な仕事だった」と言っていたが、結果は大成功で、繁殖力豊かな琉球の蒼ならではと思う。
来年は苗代もかからないから、仕事はしやすいだろう。


シーナ・マッケイの「燃える果樹園」には、花尽くしのように植物が登場するが、
沢山の花々の裏側のようなお話でもある。