2つのBとSとGと? by マサコ |
CDの解説にシュナーベルがこの曲集をこよなく愛していたこと、第2次大戦中にラジオ放送で盛んにバガテルを演奏したとある。
10代の時は、垢抜けしているところと諧謔を聴くだけだったが、今回はシュナーベルのフレージングの作り方や音の表情が、パントマイムを見る様にわかって、改めてシュナーベルの凄さを体感している。
そして今なら、戦時中のラジオ放送にこの曲目を選んだシュナーベルの気持ちも痛い程、わかる。
バガテルには、人間の普段の顔が思い切り盛り込んであると同時に、その感情が高い天に直接つながっている貴さがちりばめられている。
人間の毒々しい思いも、ベートーヴェンの音符によって「ほら、この通り」天使の指先のようにかわいらしく、皆に喜ばれるものとなる。
シュナーベルはバガテルに思う存分「魔法の腕」をふるう。
彼はこの曲集にどんなお話を考えているのだろう。
人間は思いたぎったものを放せば、天使の羽よりも軽く、宇宙の美に身をゆだねられる。
「それには、そのドス黒い感情がなくっちゃあ」と、朗らかに励まされる曲である。
言い古された言葉でも結局「愛と真心」が一番の宝。それがどんなものか知りたかったら、バガテル(フランス語で「つまらないもの」という意味)を聴いてみて。
グールドも特にop126の美しさには参っているよう。しかも自分の録音で。ワタシかてop126全曲弾いたんだよう。ベートヴェンは作曲中、きっと好きな天使に会っていたことでしょう。
ところで、op.126と言われてもどんなんだっけ?と全然ピンと来ないのです。調べると持っていないことが判明、そりゃ知らんわな。だっていっぱいあるんだもん。どれがどれだか分からなくなるのだ。
記録保存を兼ねてここにコピペして残します。
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・Fritz Maisenbacher 3年前
Schnabel travelling on the very edge of pure miracle,
kissing the unspeakable in some higher cosmos,
telling us an unimaginable encounter we are all dreaming of,
incredible moment .......
シュナーベルは澄み切った音の境界を旅していて
言葉では表わせない高次の宇宙にキスをしつつ
私たち全員が夢にまで望む、想像を絶する信じられないような
素晴らしい瞬間を告げてくれている。
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・John McCauley 1年前
Well said. 言えてる。
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・Jacob Opper 10か月前
I couldn't say it better.
The quiet, meditative quality of this piece says
something about Beethoven's final years.
これ以上付け足すことはない。
静かで瞑想的な曲想のこの曲集は、
ベートーヴェンの晩年を語っている。
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・Richard Russo 5か月前
Schnabel makes every note a pearl,lustrious by itself,
magical in the string.
シュナーベルの音楽は音符を、
一粒一粒が輝きを放っている一連の真珠のように創り出している。