おじいさんの山 byノリコ |
「国土調査をするので立ち会うか、代理人をたててほしい」と龍郷町から手紙が届いた。
突然山持ちとなった原家のメンバーは、誰も興味を持たず時は流れた。
1999(平成11)年、今度は「町道となっている土地の名義を変更してほしい」との依頼が届いた。ついてきた地図を見ると龍郷湾に沿って町道が走り、祖父の原野の一部が町道敷と表示してある。海のすぐ側が山である。「なかなか良さそうな所だな」
しかし現物を見に行こうとは誰も思わなかった。
今回よくよく謄本を見れば、1918(大正7)年に山と畑と原野を、祖父が曾祖父から買ったことになっている。祖父は二男であったが、全部で10人もいた兄弟のためにそれなりの仕送りをし、その見返りに曾祖父が祖父に土地の一部を与えたのかもしれない、などと想像する。
母が生まれたのが1920(大正9)年、祖父は結婚するまでは、なんどか島に帰ったことがあると聞く。そうすると土地を取得してからは帰っていないのだろうか。
私の想像が正しければ、そこにそんな山を持っていることは知らなかったかもしれない。無論、開戦そして敗戦・台湾からの引揚など波乱の時を過ごす間に忘れてしまったということも考えられる。
2005年5月、モニカが遠縁の叔父夫妻のお供で奄美大島に行った。
この宮崎の叔父夫妻にはマサコが17才の頃にたいそうお世話になった、そのご恩返しである。
「奄美に行くならおじいさんの山を見てきて」とノリコは、何気なく頼んだ。
モニカが持ち帰った「別荘地に最適」との親戚の話に原家は沸いた。
そして9月13日から16日までグループスピカ全員は祖父の故郷奄美大島で過ごしたのである。
3 ダウンした最終日 へ
蒸し暑くしかし広大な別荘地、皆さん楽しまれたご様子で何よりです。でも奄美大島、九州すら知らぬ私には遠いなぁ〜。