mari日記:歴史的事実を認めない小池東京都知事 |
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2017年 09月 06日
毎年9月1日に行われている「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式」に、 都知事名での追悼文を送るのを断った小池百合子都知事に対して、 多くの批判が寄せられている。 あの石原慎太郎氏でさえも都知事時代には行ってきたことであり、 昨年は小池氏自身も追悼文を寄せているのだからなおさらだろう。 今回あえてやめる理由を、小池氏は記者会見でこう語っている。 ●小池百合子都知事定例会見 2017.8.25 「3月に関東大震災の大法要にも出席しております。 9月に行われる都内の戦災遭難者慰霊大法要もあります。 その場で都知事として関東大震災で犠牲となられたすべての方々への 追悼の意を表したところでございます」 だから、もう必要ない、との考えだ。 かなり乱暴に「すべての方々」と小池氏は言うが、自然災害で亡くなった人々と 人為的な暴力によって虐殺された人々が同一であろうはずがない。 にもかかわらず、いっしょくたにして扱う姿勢には明らかに虐殺そのものの事実を 曖昧にし、加害者の存在をなかったかのように印象付ける作為が見える。 しかし、本当に驚くべき発言はこの後に続くものだった。 続けて記者が 「『大震災の時に朝鮮人が殺害された事実が否定されることになる』 という批判があるが」 と質問すると、小池氏はこう答えたのである。 「さまざまな歴史的な認識があろうかと思っております」 大震災直後に、「朝鮮人が暴動を起こす」「井戸に毒を入れた」「放火した」 などの流言飛語が広まって、警察や軍のみならず、 一般人たちも自警団を作って多数の朝鮮人(中国人や地方出身の日本人も含まれる) を問答無用に惨殺したのは紛れもない事実である。 このどさくさの中で、大杉栄をはじめとする社会主義者たちも殺された。 犠牲者数が確定しないのは、当時の政府が虐殺の全貌を調査しようとせず、 むしろ隠蔽したからに他ならない。 そうした事情があったとしても、多くの証言、証拠が残っており、 虐殺があったことは既に確定した歴史的事実である。 なんと小池知事は事実を「歴史認識」の問題にすりかえたのだった。 ↑『大正大震火災誌』 警視庁 (1925年) P.31~33 (赤の傍線部分。歴史的仮名遣いや漢字の旧字を現行に。カタカナを平仮名に) 鮮人暴動の流言一たび伝播せらるるや、 (略) 各方面に於いて検挙せる鮮人取調の結果を総合するにその暴行の事実概ね疑わしく、 殊に集団を成して妄動せるが如き痕跡は聊かも認む可からず、而も民衆の鮮人に 対する迫害は漸く過激に亘り殺傷をも悠にするに至り (略) 民衆の自衛団体は興奮の情極度に達せるが為に争闘口論至る所に起り 甚しきは鮮人中警察官に変装せるものありと風説をも生じ 之が為に警察官に対して或いは其通行を阻止し或は査問暴行を加うる (略) ↑警視庁が流言飛語を防ぐために撒いたビラ 結局、記者会見において知事が虐殺があったことを認める場面は一度もなかった。 こうして小池百合子氏は 「関東大震災の朝鮮人虐殺」の史実を認めない歴代初の都知事 となった。 さすが極右カルト集団「日本会議」のメンバーである。 さほど時間もかからずに化けの皮が剥がれてきたようだ。 こうしたネトウヨまがいの政治家たちを放置していては、 すでに公文書となっている諸々の証拠も廃棄されかねない。 関東大震災の朝鮮人虐殺に関する公文書が、現に自治体レベル で廃棄されたものもあると聞く。 何しろ都合の悪い事実はことごとくなかったことにする連中なのだから。 ほぼ同時期に、ヒトラーの政治的動機が正しかったかのような妄言を吐いて 世界から驚かれ、批判されている副総理も存在する。 しかも麻生氏がナチスを引き合いにした舌禍事件を起こすのは2度目。 公教育で道徳が導入されようとしている今、道徳教育が必要なのは 子どもたちではなく、歴史を改竄して恥じない政治家たちだろう。 彼らの存在が国際社会におけるこの国の 評価をガタ落ちにしていることは言うまでもない。 ↑ そもそも、こういう人ですし。 差別・排外主義団体「在特会」とのかかわりを指摘されて。 日刊ゲンダイ 2016年7月9日 ↑ 9月1日の会見でも重ねて歴史的事実を認めず、確信犯を証明。 ↓ ↑ 東京新聞 2017年9月2日 ~~~~~~~~~~~~~ 関連情報 ・2017年09月02日 14:26 歴代知事が踏襲してきた追悼文取りやめの背景には、3月の都議会一般質問における自民党議員の質問があった。 自民党の古賀俊昭都議は3月の一般質問で、「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式」に追悼文を寄せることについて、小池知事に見解を質した。 古賀都議は、横網町公園にある「朝鮮人犠牲者追悼碑」に「誤った策動と流言飛語のため六千余名に上る朝鮮人がとうとい生命を奪われました」と記されていることや、追悼式の主催団体の案内文に虐殺の犠牲者数が「6000余名」と書かれていることを取り上げ、「根拠が希薄な数」などと問題視した。 古賀都議は、「流言飛語に関しても、当時の我が国の治安状況を知るべき」とした上で、「世相と治安状況の中で、日本人自警団が過敏になり、無関係の朝鮮人まで巻き添えになって殺害された旨の文言こそ、公平、中立な立場を保つべき東京都の姿勢」「東京都を代表する知事が歴史をゆがめる行為に加担することになりかねず、今後は追悼の辞の発信を再考すべき」と、小池知事に迫った。 古賀都議の質問に対し、小池知事は「毎年慣例的に送付してきた。今後については私自身がよく目を通した上で適切に判断する」と答弁。見直しを示唆していた。 〜〜〜〜〜コメント〜〜〜〜 ヒロキ2017年09月04日 07:52 小池知事は朝鮮人(や中国人)の虐殺の実態と背景を知っており朝鮮侵略の歴史認識に関わるので、今回沈黙したのかもしれません(というか、知らないということは私には想定できません)。もしそうだとしたら、益々怖ろしいことです。 流言飛語をばらまいたのは、当時の警視庁№2の正力松太郎が中心だったというのは事実だと思います。 その背景は日弁連の調査報告書に詳しいです。 「ほうせんか」のサイト、あまりにも哀しくやりきれません。 〜〜〜〜 mari2017年09月04日 11:21 ついに素顔を晒しましたね。 何しろ差別・排外主義集団「在特会」とすら、お付き合いのある人ですから、 おっしゃるとおり、さもありなん、なのですがね。 (本文に写真追加しました) これで歴史修正主義の面々がいっそう活気づきそうです。 ~~~~~ > ヒロキさん 情報をありがとうございます。 >流言飛語をばらまいたのは、当時の警視庁№2の正力松太郎が中心だったというのは事実だと思います。< はい、これもすでに歴史的事実として確定しているものですね。 警察によって虐殺されている朝鮮人も多く居ます。 一度虐殺死体を埋めた後、警察の命令によって掘り起こし 焼却して証拠隠滅した例も。 小池氏は、流言飛語も虐殺も、むろん知っていながら とぼけているのだと思います。 都合の悪いことはなかったことにする歴史修正主義の確信犯です。 都議選の圧勝で、もう猫を被っている必要もなくなったので、 本性を表したのでしょう。 石原慎太郎都知事時代よりも深刻なのは、都知事のみならず、 都議会の多数派が小池氏の一門(都民ファースト)だ、ということですね。 議会の歯止めが当てに出来ません。 また、同じ穴のムジナ達が活気づいて、すでに悪影響が出始めているようですね。 墨田区議が在特会系団体「そよ風」の集会に堂々と出席しています。 看過できない状況です。 ~~~~~~~ ヒロキ2017年09月04日 22:31 朝鮮人島虐殺の本質は、朝鮮人に対して国外では日清戦争以後大虐殺を続け、 それに呼応して国内でも国家による殺人罪(警察と軍隊が直接殺人したケース) 及び殺人目的大衆扇動罪を犯したことにあると思います。 正力氏らは逮捕され死刑にすべきところ政府は放置しました。 背後で支援したことは十分に推察されます。 戦前における国内での最大の重大犯罪を隠蔽した小池氏は道徳の問題もさること ながら、憲法という最高法規違反(13条,15条,99条,前文)違反だと考えられます。 現在に続く朝鮮人蔑視を促進する政治的な効果のプラスマイナスを 知事が考えていないとは考えられません。 なお、私は導入されている公教育における道徳の授業には改善点はありますが それ自体には賛成です。家庭や地域社会その他民レベルの道徳教育が 大変残念なことに劣化しているからです。 しかし、来年度から始まる教科化には反対です。 日記の本論から離れますので、ご意見がございましたら、 28日付けの拙日記の方がいいかもしれません 。 〜〜〜〜〜〜 mari 2017年09月05日 09:49 > ヒロキさん この大虐殺に学ぶどころか、朝鮮人、中国人に対する偏見・蔑視・差別が 今もなお続いていることに暗澹たる思いです。 実際、東日本大震災の時にも似たような流言飛語があったそうですから、 今また同じことが繰り返されない、などとは言えません。 過去に学ばないとは、実に罪深いことですね。 のみならず、あったことをなかったことにする歴史改竄を政治家が 率先して行っている、こんなことは絶対に許されません! 民衆のはけ口を作っておいて統治しやすくする、中世の政治手法が この国ではいまだ有効。すなわち人権意識は中世並みということでしょうか。 道徳的規範や倫理観を学ぶことは必要ですが、 国家がそれを采配すると碌なことにならない危惧があります。 ましてや、倫理観の欠如もはなはだしい現政権がやるとなれば、 まっとうなことになるはずがありません。 教育勅語と修身で価値観を押し付けて戦争の道へと進んだ過去の悪夢の 再現になりかねない、と思ってしまいます。 >家庭や地域社会その他民レベルの道徳教育が大変残念なことに劣化しているからです。< おっしゃるとおりですね。 しかし、小さな単位だからこそ、行きすぎや間違いがあった時に外側から 指摘、批判されて修正する余地があります。 大きな単位で同一方向へ持って行こうとすると、チェック機能が利かず、 全体主義に陥りがちです。 キリスト教倫理や革命思想も過去にはそうした禍根を残しています。 したがって、私は家庭や地域社会のような小さな単位で建て直して行くのが 望ましいのではないか、と思っています。 ~~~~~~~~~~~~~ ヒロキ2017年09月06日 09:32 日記で >公教育で道徳が導入されようとしている今 と書いておられましたので、なお書きで上のコメントをさせていただきました。 以前から導入され、全教の組合員も含めていろいろ工夫して授業してきました。 道徳教育を国家が行うことに反対というのは正論です。 私は10代から道徳を含む各種規範と国家の関係についていろいろ悩み考え、 ささやかですが議論を重ね試行錯誤して参りました。 mariさんの私的な実践についてもいつかお伺いする機会があればと思います。 日記のテーマから離れますので失礼します。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~ ~~~~~~~~~~~~~~~~~ ~~~~~~~~~~
by grpspica
| 2017-09-06 10:58
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