黒岩重吾著「さらば星座 第一部濁流の巻 下」byマサコ |
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2019年 02月 18日
集英社文庫・1984年5月25日第1版 1993年6月30日第6版 読了・2019年1月21日 あらすじ 物語は「濁流の巻 中」の「恐喝者 2」から舞台を神戸に移した。 「奇妙なドライブ 1」では 引用 p291 昭和22年の6月から秋にかけてを、正明は三の宮で過ごした。 とある。 物語は GI と MP に関わる正明の世界が展開していく。 「さらば星座 第一部濁流の巻 下」 GIのチャーリーは米軍物資を横流しするのに主人公・正明を利用する。 運搬の途中で MP に追いかけられ逃走するチャーリーは、子供を跳ね飛ばす。 正明と戦災孤児の今出は負傷し、チャーリーは死ぬ。 正明はウィルソン・大瀬に出会う。 正明はウィルソンの助けにより小学校に行くことになる。 大阪のキャンプに移動することになったウィルソンは、 正明を住吉の小学校に編入させる事を決めた。 その書類を受け取るために正明が疎開していた奈良の小学校へ二人は向かう。 引用 p130 目の前に二上山(ふたがみやま・にじょうさんともいう)が迫っていた。 奈良に疎開している時、正明は何度二上山を瞼に浮かべただろうか。 二上山は奈良と大阪を遮っている山なのだ。北の方から生駒山、信貴山と連なり、南の二上山との間を大和川が流れている。 つまり、大阪と奈良の間は、これ等の山々によって区切られているのだ。 そして大和川は、千年以上の昔から、大阪と奈良をつなぐ重要な水路であった。 正明は知らないが、日本がまだ倭国と呼ばれていた6世紀、7世紀頃、朝鮮の使者達は、河内と呼ばれていた大阪から船で、大和川を遡(さかのぼ)り、大和に入ったのである。 車は間もなく、信貴山の南と高安山と二上山の間に入った。 その辺りは国分であった。 そして、その近くに戦災孤児達を収容しているN学園があった。 正明はN学園のことは知らないが、高槻の収容所に居た頃、二上山の近くにもう一つ、同じような収容所がある、と耳にしたことがあった。 車がN学園の近くを通った時、正明は大和川の南側の高台で、少年達が働いているような気がした。 高槻の収容所では、大人が持つ大きなシャベルで土を掘り、鉈(なた)で樹を切る。空腹の余り草の根を齧(かじ)りながら働かされた。 今も高槻の収容所や、N学園では、戦災孤児達が、まるで奴隷のように働かされているのだろうか。食事はあの当時より少し増しになっただろうか。 p132の「卑劣な教師」から「嘘と真実」「心の勇気」までを読みながら、 何度、日本の学校で自殺に追い込まれて殺されていった子供達に 聞かせてあげたいと思ったことか。 例えば、学校で先生が、あるいは自宅で親が、p143〜165を読み聞かせるとか、 小学校6年生から中学・高等学校の読書会で読み合うことが出来たなら、 日本の学校はそれだけでも素晴らしくなったかもしれない。 引用p166 春の家1 帝塚山は阿倍野からあまり遠くない。 正明は阿倍野で浮浪児をしていた頃、姫松、帝塚山界隈まで来て、物を盗んだものだ。この辺りは市街地だか高級住宅街である。 姫松には万代池という大きな池があり、真中に蛇を祀っている島があった。 正明達は蛇のことをみいさんと、呼んでいた。思い掛けず正明は、姫松近辺の閑静な住宅街に住むことになったのである。 ウィルソン・大瀬の家は、万代池の近くにあった。敷地120坪で、和洋折衷の建坪50坪ほどのかなり大きな家であった。 勿論日本人が住んでいた家だが、それを接収し、ウィルソン・大瀬が住むことになっていたのである。 ・著者付記 p348 長い間、戦災孤児を主人公にした小説を書きたい、と思っていた。だがこればかりは、実際に、戦災孤児であった人に話を聴かなければ、浮浪児と呼ばれた哀れな少年達の実体が把握できない。 執筆にあたり昭和50年に、大阪市在住で、印刷会社を経営しておられる北垣庄助氏が、戦災孤児であったのを知り、早速取材を申し入れ、快諾を得ることが出来た。 氏に心からお礼を申し上げます。 唯、小説の登場人物たちは、飽くまで、作者の創作であり、氏とは関係ありません。 ***********************************
by grpspica
| 2019-02-18 00:00
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