黒岩重吾著「さらば星座 第二部 波濤の巻 3」 byマサコ |
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2019年 02月 21日
物語は大河の流れの如く続く。 大阪の街が舞台で朝鮮戦争が日本にもたらす好景気。 正明は、ヒロポン工場で働きながら饂飩屋のオヤジに犯されそうになり、 家を飛び出した悦子の行方を探し続ける。 そんなある日、奈良の山奥の木こりの息子・吉岡との再会が物語に花を添える。 正明はヒロポン工場の経営者・崎平加太平と饂飩屋の親父が 繋がってるとようやく気づく。 大好きな台湾バナナの記述があった。 p26 御堂筋を越えると宗右衛門町(そうえもんちょう)である。 キャバレーやバーは勿論、レストランや商店の中には、まだ営業している店があった。 果物屋が明りを耿々(こうこう)とつけ、蜜柑(みかん)、林檎(りんご)、バナナなどを照らしている。 細くて短いバナナは台湾バナナだった。本当に台湾から輸入されているのかどうか正明は知らない。台湾バナナは菓子のように甘かった。 吉岡は正明に、一寸待ってくれ、といい蜜柑を買った。 そして紙袋の中から一つ取り出すと、それ、といって正明に放った。 吉岡のアパートに泊まる事になった正明。 引用 p120 風が窓ガラスを叩いた。長い貨物電車が、直ぐ隣の高架を走って行く。 軍需物資を積んだ貨物電車だった。 朝鮮戦争は、中国軍の参戦で泥沼の状態に入っていた。 北朝鮮は日本に較べて寒い。アメリカ軍を主力とする国連軍、韓国軍の為の防寒服の注文で、繊維業界は活況を呈していた。 いや繊維業界だけではない。 鉄鋼業、造船業を始め建築業、化学業界なども特需の影響で景気が良かった。 壊滅(かいめつ)的な打撃を受けた日本の産業は、朝鮮戦争により、立ち直るきっかけを得たのだった。 引用 p121 正明はクリスマスの日も休まないで働いた。崎平加太平に対する正明の疑惑は深くなっていた。これ迄(まで)の経過を考えても、悦子の養父と崎平加太平は、何等かの繋がりがあった。それなのに、崎平加太平は、そ知らぬ顔をしているのだ。 だが、正明は、自分の疑惑を口にするような単純な人間ではなかった。 浮浪児として育った正明は、人間に対する不信感を、自然に身につけていた。 その上、正明は、ウィルソン・大瀬に利用され、スパイの連絡係をやらされたのだ。 そういう過去の体験が、正明の人間観を、複雑なものにしていた。 その癖、正義感的な情熱も持っている。 正義感的な情熱は、正明が生まれながらに持っているものだろう。 もし正明が、天涯孤独の浮浪児にならなかったなら、多分正明は、気性は激しいが、明るい少年になっていただろう。 その点、崎平加太平は、正明が浮浪児以後に身につけた人間不信の眼や、複雑な人間観を甘く見ていた。 今では、金で正明を縛ることは出来ない、と気付いているが、まだまだ、正明を少年と思っていた。 だからこそ正明は、猜疑心(さいぎしん)の強い崎平加太平の眼を誤魔化すことが出来たのである。 ******************************
by grpspica
| 2019-02-21 00:00
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