#9 ウ・ミンイー著「自転車泥棒」5 のノートⅣ by マサコ |
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2019年 05月 21日
自転車の設計は、人をもっと遠くへ連れて行くためになされる。 そこはきっと、花が咲き乱れ、洗われているような美しい森が広がり、 鳥が鳴くにふさわしい清らかな空気がある場所だ。 ーー イギリスの自転車デザイナー、レイ・トムリンソン 引用 p176 自転車を実戦部隊に配備した最初の例は、おそらく1898年アメリカ=スペイン戦争(アメリカがスペイン領のキューバ独立に介入し、勝利した)のあと、ハバナで発生した暴動を制圧したときだろう。軍事用途に定義を広げるならば、もう少し早まり、1875年にイタリア人が軍事通信に使った例がある。『Bicycle in War(戦争と自転車)』という本にも自転車を軍事利用するメリットが提唱されている。まず騎兵のように移動が早いこと。 にもかかわらず、馬のように飼料や排泄、睡眠の世話がいらず、かつ蹴られも噛まれもしないこと。より重要なのは、装甲車やオートバイ部隊のようにガソリンを必要としないこと。くわえて、自転車は馬や自動車よりずっと静かに移動できるというのである。 ーー中略ーー ボーア戦争(1899年から1902年。イギリスがボーア人と戦って、植民地とした)でも、イギリス軍は南アフリカの戦場で、タンデム車に似た自転車を使用したことがある。鉄道軌道を走行するそれは、兵士と武器を運搬するために設計され、いちどに8人が乗車できた。ホイールは鉄道車両と同じく、レールを受ける縁がある鉄の輪で、つまりこれは人力のLRTであった。タイヤはないが一般道も走行でき、ただし、とにかく揺れた。 自転車は当時まだ、騎兵に完全に取って代わる存在ではなかった。その大きな理由は、馬に比べ、走行可能な地形に制限があったことだ。さらに運転する兵士の体力を消耗させ、急峻な地形ではなお彼らを苦しめた。ドロドロの湿地では走行不能となり、また自転車を背負っての渡河は非常に危険だった。重心を取り違えたら最後、兵士は自転車もろとも水流に飲み込まれてしまう。 素晴らしい訳です。 知らないことを知る喜びに心が震えます。 p178〜179にかけて、日本が第二次世界大戦でマレー半島から攻め入り、 シンガポールを落とした一戦のことが詳しく書かれています。 その一部を引用p187 日本軍の「銀輪部隊」はこのマレー戦で重要な役割を果たした。自転車兵が携行できる食料と火薬は75ポンド(約34キログラム)に達し、英印軍の装備が35ポンドだったから、効率は倍以上。それがジャングルから突如現れるのだから、敵に与えた精神的ダメージは大きかった。 ただ、想定外だったことに、マレー半島は灼熱だった。自転車のタイヤはあっという間にバーストし、補給は得られず、多くの兵士がタイヤを捨てホイールだけで走行した。チューブとタイヤを失った自転車が石と砂の道を走れば、一台なら耳が不快になる程度でも、数百台から千台ともなれば、金属がぶつかり合う轟音に頭の芯まで揺すぶられる。どこからともつかない巨大な音に囲まれ、士気を喪失していた英印軍は恐怖した。日本軍の装甲部隊が襲来したのだと勘違いし、戦わず撤退した。 最初の自転車デザイナー・レイ・トムリンソンの言葉とは まるで反対のところに行った自転車と人間。 著者が願いを込めて収集した資料と文章に、 平和への想いが伝わってきます。 **************************************************** ウ・ミンイー著「自転車泥棒 6 ノートⅤ」byマサコ https://kaikyou.exblog.jp/239256851/ **************************************************** 写真・Taiwan Today から ・小説『単車失竊記』が台湾の作品としてブッカー国際賞に初ノミネート **************************
by grpspica
| 2019-05-21 00:00
| 本の感想など
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