恩地孝四郎の版画2 檸檬白布&茘枝一枝 そして色紙「春」 byモニカ |
「ときの忘れ物ご亭主」様が検索からご訪問下さった。
足跡から訪問してみると、自己紹介の中に
「私の美意識に決定的な影響を与えてくれた作家」という中に
恩地孝四郎の名前を見つけ、嬉しくなって、ご挨拶した事から話が始まる。
その後、ご亭主様のブログに書き込んだコメントで、
「そのうち、作品をアップします」と申し上げ、
そのうちどころか、その日の内にアップ。
それに対して、感動的なコメントを頂戴した。
そのコメントをご亭主様のご了解を得て、
こちらのブログのコメントにもアップさせていただこう。
檸檬白布 1933年
版画を挟んである紙に版画で書かれたタイトル
果実六題のうち 「檸檬白布」
茘枝一枝 1934年
茘枝一枝 タイトル摺り
茘枝一枝
色紙「春」 1953年
雨は地から湧いてけむる
それは木肌にしみ入り
空間に浮く芽をつくる
芽
そして 眼
1953年
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の一語に尽きます。
特に「近代婦人八態」から1〜3は、近代日本版画史上、屈指の名作です。
他の作品もいずれも貴重なものです。
恩地版画(特に作家自刷り)は戦後、進駐軍のインテリ将校たちに買いあさられ
日本にはほとんど残っていません。
あるところにはあるもんですねえ。
家宝どころではなく、国宝です。
大切にしてくださいね。
すばらしい贈り物、ありがとう。
「ときの忘れ物亭主」さまからのコメント
遅ればせながら、コピーします。
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ときの忘れ物ご亭主さま>
改めてこう言っていただくと、襟を正して管理しなければと思います。
20年前、ニューヨークの日本の美術作品を扱うRonin Galleryで
アトリエで仕事をしている孝四郎叔父の姿を彫られた関根さんの作品が
表紙になった日本の近代版画というカタログを見つけました。
中に「珈琲」があったので「見せて欲しい」といったら、
既に売れていて見る事が出来ませんでした。
なぜ見たいのか聞きたそうだったので、
「同じ版画を持ってるので見比べたかった」というと、
「この人の作品は手に入れるのはとても困難だから、
持っている作品は大事にしてください」
といわれました。
海外では人気が高いという話を実感した時でした。
そのカタログを買って帰り、見比べてみると、
驚いた事に、着物の襟の最後の摺が入っていませんでした。
多分自摺ではなかったのでしょうね。とても残念でした。
そのカタログはご本家に差し上げました。
後でまた欲しくなってネットでギャラリーを覗きましたが
もうありませんでした。
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....さん>
私も改めて見て、彼の作品の素晴らしさに感動しています。
写真では判らない細かい所も沢山あって、お稽古の子供達も
「これ、ホンマに版画?」と聞きます。
そんな時、額を開けて、裏を見せると 「わあ、ホンマや!」と
驚いています。
恩地孝四郎は版画家としてだけでなく、装丁家としても活躍した人です。
略歴にも書いてあると思うけれど、簡単に。
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装丁の仕事は竹久夢二との関係の中で始まったようです。
萩原朔太郎の詩集「月に吠える」を親友田中恭吉の遺志を継いで
完成させた後、北原白秋、島崎藤村、室生犀星、三木露風等の詩集を
多数手掛けています。
また友人から「これ恩地さんの装丁だった」といって
日本文学全集の何冊かを戴いた事もありました。
お名前を間違えてごめんなさい。