「公立校に寄付金?」 byノリコ |
薄くてちいさな本ですが、中身はいっぱい詰まっていて、宝箱みたいです。
その中に 西蘭みことのニュージーランドレポート「キウイ通信」という続き物があります。
2007年4月号は、「公立校に寄付金?」 でした。
keikoさんの学校バザーのお話と彼女の「NZにも問題はある」というコメントを読んでいた私は、こんなことが行われていることを「海峡」読者にも知ってほしくて紹介します。
ニュージーランドでは、公立校でも小学校入学から高校卒業まで、親が寄付金を払うそうです(金額は年間数千円から5〜6万円まで)。
公立校は、学校法人で運営は各校に委ねられていて政府からの補助は後述の評価によって金額が異なり、寄付を受けなければ運営が困難な学校が出てくるのです。
在校生中の貧困家庭の割合を示すデシルということば(1が最低で10が最高)で学校がランクづけされる。
デシルは、世帯収入、保護者の職業、世帯当たりの居住者数、親の教育程度、生活保護受給者比率の5項目による評価であって、生徒の学力は関係ないのです!!
たとえば、10デシルの学校には通常の授業を担当する教員の給与のみを支給し、体育や音楽などの専門科目の教員の給与は支給されない、そこで親の寄付に頼らなければならないことになるそうです。
貧困な家庭と子供の学力には多くの場合に相関関係はあるわけですが、補助金はデシルが低い学校にはたくさん支給されるしくみです。
この点で、学校差をつけて、優秀な学校にはたくさん資金を投入しようとしている日本の誰かさん考えと似ていますが、結論が正反対、日本は「学力の高い学校に厚く」ですが、NZは「弱者に手厚く」なのです。
この差は、有権者がどちらを支持するかによって決まるのですから、選挙って大切ですね。
ただ、みことさんは、NZでは、イギリス階級社会の影響や貧富の差が玉虫色にできないほど差し迫った問題であり、、新聞でも「金持ち」とか「貧乏人」という表記を頻繁に使わっていること、それが所帯と子供への大前提となることを危惧して
「弱者救済も方法を間違えると、時として社会を不必要に色分けし、確執を深めてしまうことを移住3年目につくづく感じている」
とまとめています。