言葉 「奇特」と「貴徳」 by マサコ |
子供の頃「キトク」を「貴徳」だと思い込んでいました。
「貴徳」は中国系の占いの本で知った字だったのです。
ところが漱石の「我が輩はネコ」で「奇特」と知って驚きました。
そして新しく知った「奇特」に関しては最初から、
今流の意味「非常に珍しく、不思議なさま」だと思っていたから、
話は尚ややこしい。
「奇特」には本来、貴く徳の高い意味がありました。
また行いが優れていて立派な事etc…の肯定的な意味があるのです。
でも字面から、「非常に珍しく、不思議なさま」が横行している。
だから「キトクな人」と言われて、怒り出す人たちがいるそうです。
さて、あなたは、どちら側に立ちますか?
き‐とく【奇特】 [形動]文[ナリ]《「きどく」とも》
1. 言行や心がけなどがすぐれていて、褒めるに値するさま。
「世の中には—な人もいるものだ」
2. 非常に珍しく、不思議なさま。
き‐どく【奇特】
1. [形動]文[ナリ]_→きとく(奇特)
2. [名]神仏の持っている、超人間的な力。霊験。
思い込みと漢字 by 原 真砂子 へ
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2016年8月18日 追記
ネット仲間が教えてくださった文化庁の調査です。
この記事を読みに来てくださる方が多いのでリンク貼っておきます。
文化庁月報 (平成25年6月号(No.537)
「言葉のQ&A」 「奇特な方ですね。」は,褒め言葉か。
http://prmagazine.bunka.go.jp/pr/publish/bunkachou_geppou/2013_06/series_09/series_09.html