遊 び by マサコ |
電話をしたときの反応が予想通りか、悪い方の期待通りか、と賭をして暇をつぶした。
1番素晴らしかったところ。
「担当者が今、席をはずしておりますので、後ほどかけ直します」
と言って、書名や頁を詳しくメモした1番手に続いて
担当者が本を片手に電話をしてくる。
開口一番
「何版をお持ちですか?」
電話する前から、ここは駄目だろうと思っていた出版社の対応は、
あやふやな案内係が、やる気もないのに、ふわふわ聞き取った。
恐らく電話の用件は誰にも伝わらなかったであろう。
白木賢太郎先生が「生命の謎は『タンパク質』で読み解ける」を出版なさった。
家人が「誤植を見つけたぁ」と嬉しそう。
先生に言うより出版社に言う方がいいとアドバイス。だってそんな電話をかけてくれるファンがいることがわかるものね。
家人によると・・・
電話の相手は、頁とことばをメモして、「著者が敢えてそうかいているかもしれないので、確認します。少し時間がかかるかもしれません。わかったらお電話しますので」
「別に電話などいりませんけど・・・」
と言ったが、番号を伝えておくと、後日「やはり誤植でした」と電話が入った。
私も最近、青島広志さんの本で、漫画家の牧美也子さんの名前が1ヵ所美世子となっているのを見つけた。
でも電話はしない。
もうこの遊びを止めてから何年もたつ。
人様に「間違いでは?」と言うよりは、
「間違いよ」と教えられたときに
「あっはっは」とか「どうもありがとうございました」と素直に言える人になる努力をしている年代になったのだろう。