愛読ブログへの感想と「野火」の紹介 byマサコ |
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2018年 09月 24日
を読みました。 桜井さんの文章はいわゆる活動家の文章なので 一般の方には殺風景で読みにくいかもしれません。 私にとっては余分なことと飾りがないので好きです。 「フランスとイギリスがシリア侵略で積極的な歴史的背景」の 中に次の一節がありました。 「シリア国内にアメリカなど 外国勢力が使える反政府勢力はいなかったのだ」 私がドキュメンタリーで聞いたシリア女性の発言の 「何の問題もなくみんな仲良く助け合って平和に暮らしていました。 突然こんなになってしまいました」 アサド大統領が、 ロシアに救援を要請したのは3年前です。 〜〜〜〜〜〜 Deeply JAPAN のたくみさんは、 大岡昇平氏を大きく取り上げました。 この中に取り上げられた「野火」の文章を知っていただきたかったので 一部引用します。 大岡昇平(1909-1988) さんの「野火30章p159」(新潮文庫)より ......... 草の間から一本の花は身をもたげた。直立した花硬(かこう)の上に、固く身をすぼめた花冠が、音楽のように、ゆるやかに開こうとしていた。その名も知らぬ熱帯の花は芍薬に似て、淡紅色の花弁の畳まれた奥は、色褪(いろあ)せ湿っていた。匂いはなかった。 「あたし、食べてもいいわよ」 と突然その花がいった。 私は餓えを意識した。その時再び私の右手と左手が別々に動いた。 手だけでなく、右半身と左半身の全体が、別もののように感じられた。飢えているのは、たしかに私の右手を含む右半身であった。 私の左半身は理解した。私はこれまで反省なく、草や木や動物を食べていたが、それ等は実は、死んだ人間よりも、食べてはいけなかったのである。生きているからである。 花は依然として、そこに、陽光の中に光っていた。見凝めればなお、光り輝いて、周辺の草の緑は遠のき、霞んでいくようであった。 空からも花が降って来た。 同じ形、同じ大きさの花が、後から後から、空の奥から湧くように夥しく現われて、光りながら落ちてきた。そして末は、その地上の一本の花に収斂された。 「野の百合は如何(いか)にして、育つかを思え、労せず紡(つむ)がざるなり。今日ありて明日炉に投げ入れらるる野の草をも、神はかく装い給えばまして汝らをや、ああ信仰うすき者よ」 声はその花の上に漏斗状(ろうとじょう)に立った、花に満たされた空間から来ると思われた。ではこれが神であった。 その空間は拡がって来た。 花は燦々(さんさん)として私の上にも、落ちて来た。しかし私はそれが私の体に届かないのを知っていた。 この垂れ下がった神の中に、私は含まれ得なかった。その巨大な体躯(たいく)と大地の間で、私の体は軋(きし)んだ。 私は祈ろうとしたが、祈りは口を突いて出なかった。私の体が二つの半身に別れていたからである。 私の身が変わらなければならなかった。 **********************
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by grpspica
| 2018-09-24 09:58
| 命・平和・人権
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