黒岩重吾著「幻聴への約束」を読んで byマサコ |

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2018年 11月 03日
![]() 黒岩重吾は、 長良評吉という主人公に自身の人生と経験を重ねながら 見事にシャーマニズム世界を文学にしている。 いつもながらのネーミングのうまさに感心するが 主人公の名前「長良ひょうきち」に批評の「評」を使っている。 私は彼の小説に自分を重ねることが簡単にできる。 なぜなら1969年11月1日、クリスチャンホームで育った私が 初めて霊能者なるものに会い、以後深い関わりがあったからである。 「人間の宿舎」には「幻聴への約束」が一緒に収められていて、 コンビとして強力な魅力を持っている。 昭和が遠くなり、平成が終わりかけている今年。 この本の解説を書いた進藤純孝氏は、私と同じ観点を持ち、 次世代にも通じる深みある考察を述べておられる。 解説者と同じ文章を引用をするのは、初めてである。 この頃、長良評吉は、人間はそれぞれ住む社会なり世界によって、異なった 生活なりものの考え方をしているのだ、と思うことがあった。病院に居れば、 病院だけが世界だし、 戦場に居れば、平和な社会など無縁のものだと思うだろう。 殺人が日常茶飯時であり、相手を殺すことが正義なのである。宇宙飛行士にとっては、 地球は青く美しい絵であった。最も悲惨なのは、自分の住む世界に溺れ、他の世界を 見ようとしないことではないか。その瞬間から、人間としての主体性が崩れていくの ではないか。 ー「人間の宿舎」P. 228からー この「主体性」こそが、明治維新のテロリストたちが失った主体性であり、 敗戦後、日本が国として、また個人が失い続けているものではないかと思う。 黒岩重吾を読み始めて間がないけれど、 私はこの本は彼らしい作品だと思うので、この二つの作品を皆さんに薦めたい。 進藤氏は解説の終わりを次の言葉で結ぶ。 この作品(「幻聴への約束」)が「人間の宿舎」併録にされておかしくない所以は、 説くまでもあるまい。戦争と平和の起伏の中で、支え続けたいのはただ一つ 「人間としての主体性」である。 ************************** ▲
by grpspica
| 2018-11-03 00:00
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