児玉清さんへの謝辞 byマサコ |
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2022年 03月 28日
児玉清さま 「アップ・カントリー」を紹介して下さってありがとうございました。 戦時中、児玉さんが群馬の四万温泉に疎開なさったときのお話を伺ったことがあります。 その時の美しい声と日本語に惹かれて 「この方の紹介してくださった本なら大丈夫」と思い購入したネルソン・デミルの 1600ページにも及ぶ長編。下巻の「36」まで読み終わりました。 長い間手に取らなかったのは、私には軍隊の話は読むのが辛く無理だろうと思っていたからです。 「50」まで続く下巻を、昨日は「32」までを読みました。 あまり辛いものを読むと私の頭の中の自動装置が働き、 『記憶を消し去る』傾向があるのか、ほとんど記憶に残っていないのです。 全く記憶がないのに驚き、また丁寧に「32」を読みました。 濃密な戦争描写に続く「33」 は中休みのように静か。 登場人物が主人公ポール・ブレナーとスーザン・ウェバーだけ。 ページ数も10ページ。 驚くべき手腕のデミルです。 「33」を読みながらなぜか、思い出したのは朗読で聞いた源氏物語の「幻」。 紫上がなくなった後に彼女を慕う源氏の様子が描かれているところ。 その夢のような世界に連れていかれた記憶です。 源氏物語の中では、今のところ1番気に入っている場面。 p234~276の激しい追憶の戦場説明から、ほっとするひとときでした。 若い時から軍隊の話は苦手でした。 しかしこの本を読もうと思ったのは、去年の夏に「コードガールズ」を読み、 かなり軍隊に馴染んだのがベースにあったからではないかしら? 今年70歳になる私が今更大人になるわけでは無いのですが、 この本を読んで少し大人になれた気がします。 児玉さんは私に「読まずには死ねなかった本」を2冊も紹介して下さいました。 そのもう1冊は、スウェーデンの小説「ミレニアム」でした。 この本を読まれた方から、 「貴女は人生に深い傷を負った女主人公リスベット・サランデルによく似ている」 と言われてとてもうれしかったです。 これからも児玉清さんの推奨される本を一つ一つ読んでいきます。 貴重な読書感想を綴って下さってありがとうございました。 ********************************** #
by grpspica
| 2022-03-28 00:00
| 本の感想など
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2022年 03月 27日
若島正さんが、 「多くの小説は最初面白くても中だるみになり、最後はつまらないものが多い」 とおっしゃっていた。 この長編は、最初は面白く、中で盛り上がり、最後は爽やかに素敵になっていく稀有ものだった。 読みながら気づいてはいたが、日本語訳が格調高く、当意即妙で美しいことも私を幸せに導いてくれた。 これだけの長編でごちゃごちゃ人が出てこないのも物語を読みやすくしていた。 13人の登場人物の紹介もほんの少しである。 ポールとスーザンの丁々発止の会話。2人ともよく頭も口も回るものだ。 巻末の吉野仁氏の解説も大長編の内容と要点を余すところなくまとめてある。 最後の結びの言葉。 引用 p858 家への旅路が直線経路をたどることはない。それどころか、いつも決まって遠まわりのルートをとるといっていい。そしてこの家路の途中で、わたしたちは気づく ーー 旅路そのものが旅の目的地よりも大きな意味を持っていることに、そしてまた、旅の途上で出会った人々のすべてが、思い出のなかでは永遠に旅の道づれとなることに。 かつて長塚節(たかし)の短歌に触れたとき、漢字とひらがなの混ざり具合、 その美しさに驚嘆したことがある。 今回、白石朗氏の訳文で同じことを味わった。 * ネルソン・デミル著「アップ・カントリー兵士の帰還」 byマサコ **************************** #
by grpspica
| 2022-03-27 11:06
| 本の感想など
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2022年 03月 26日
1983年8月15日初刷 小松左京はドッキリカメラ。 写真集を見る勢いで物語に乗せられてしまう。 少しもモタモタしたところがなくトーンが明るく落ち着きがあり、 面白くない所なんかどこにもない。 このシリーズは全部女性について書かれたもので 「湖畔の女・待つ女・歌う女・旅する女・写真の女」 の5編はどれも中身が濃く、充実した作品を楽しめる。 私にとって彼は、日本の音楽と西洋の音楽の演奏をうまく比べた文章が印象的だ。 引用p165 歌っているときの顔が美しい女性は少なくない。が、歌い出したとたんに、人間でない何か別のものーー”天使”のようなものに変化してしまう女性はやはり稀(まれ)である。そして、ただでさえ愛らしい明るい淵田女史の相貌(そうぼう)は、歌い出したとたん、まったく生身の1歳を超えた、美しい輝きに変わってしまうのだ。 それを見ていると、つくづく西洋において完成された「歌」というものは、日本のそれとちがうものだと思う。日本の伝統的な歌は、ーー特に芸能的それは、なぜか声をつめる。歌い手は、歌うにつれ歌の背後にひきこみ、歌だけが前に出てきて、次第にやがてそこに1つの霊が出てくるための舞台をしつらえる。日本の芸能の主役は、能にせよ歌舞伎にせよ、そこに仮面をかぶり、衣装をつけてあられる「霊」であって、歌はそれを「呼び出すもの」にすぎない。 だが、ヨーロッパにおいて完成された「歌」、特に詠唱(アリア)は、まったくちがったものだ。ーーそれを歌っている歌手そのものを媒介(メディア)として、それによって、この世に存在しない”恩寵の世界”として天地に鳴りひびかせ、その時、私たちを含む一切の宇宙は、”超越的な至福”にかわってしまうのだ。ーー歌がひびく間だけ出現し、すべてをおおい、すべてをその内部からかがやかせ、鳴りひびかせ、歌が終わったとたんに、いくつもの余韻、残響をのこして消滅してしまう無可有の世界……しかし、歌がこの天地に黄金色にひびきわたる間は、何よりもたしかに、これよりもたしかなものはない。「実在」として存在しつづける世界……もちろん数多い歌い手の中でこんな「世界」を現出させることのできる歌手は稀だが、淵田女史は、まぎれもなく、この「奇蹟」をおこなえる素質を持った歌手だった。 ********************************** #
by grpspica
| 2022-03-26 20:56
| 本の感想など
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2022年 03月 24日
2003年11月15日第1刷発行 訳者・白石 朗 ある方は「人がベタほめした書評を読むと、その本は読みたくなくなる」という。 そして気に入らない本は、その理由をきちんと説明する。 出来損ないの本のどこがどのように出来損ないなのか、 事細かに書くなんて、私にはとても真似できない。 たとえ怒り心頭に達して感想を書いても、それを他人様が読めるようにアップはしない。 私は感情でしかものが言えないから、「沈黙は金」の姿勢をとるのだ。 このネルソン・デミル著「アップ・カントリー」は 児玉清さんが「ミレニアム」とともに大絶賛していたので求めたものだが、 長い間読むことができなかった。 でもついに手にした。 ある退役軍人が任務を請け負い、かつて彼が従軍したヴェトナムに向かうお話。 1952年生まれの私はヴェトナム戦争はちょこっと知っている。 覚えのある歴史。それをもとに物語を読んでいくのが興味深い。 2022年2月24日にウクライナで戦いが始まった。 そのニュースや情報を聞きながらこの本を読むと 50年前の出来事はまた繰り返されるのかと思う。 もちろん時代が違うから、ウクライナでは、より機能の充実した兵器が登場する。 執拗に戦車を追いかけ回す「ジャベリン」というアメリカが送った武器でロシア軍の戦車を爆発させ、戦車に乗っているロシア兵士は木っ端微塵になる。 遠くない将来、特定の人に狙いをさだめ、たとえば虫のようなものに 追い掛け回され殺される時代が来るとは聞いている。 そんな場面の出てくるドラマの記憶もある。 さてこの本は、通俗的で読みやすい。 思ったより深刻にならずあっけらかんと読める部分が多い。 といってもこの分厚い上下の本をまだ40%しか読んでいないのだが。。 上巻 引用 p284-5 ともあれミサがはじまった。トゥアン神父の英語は、英語とは名ばかりの別物だった。まだしもフランス語のほうは理解できたのではないか。ミサとおなじく、讃美歌も英語で歌われた。ここで、スーザンが美しい歌声をもっていることを知らされた。わたしは歌詞を知っているふりをして、口だけ動かしていた。こんなわたしだが、酒によって興が乗れば、アイルランド民謡の <トラリーの薔薇> を朗々と歌いあげることもできる。 説教は、肉体の罪とこの大都会のあまたの誘惑をテーマにしたものだった。さらに、赤貧にあえいでやむなく体を売る女たちの魂についての話題が出てきた。神父の話は当を得ていた。ーー罪人がいなければ、罪そのものが存在しなくなる、というのだ。阿片も売春もなくなり、賭博もポルノグラフィーも、ついでにマッサージパーラーもなくなる、というわけ。 神父にじっと見つめられているような気がした。わたしは、グレアム・グリーンの小説の主人公にでもなった気分になりはじめた。神に見すてられたような熱帯のむし暑さのなかで汗をかき、性的な戒律を破ったことにカトリックならではの罪悪感を覚えて煩悶している……しかしその戒律破りも、突き詰めて分析すると、どうということはないと判明するのだが。 著者は多分、グレアム・グリーンの「情事の終り」を念頭に置いている。 トルーマン・カポーティが「グレアム・グリーンは私の親友、文字どおり、生涯の友」と言っている。 *「カポーティとの対話」第6章 同時代の作家たちp197 下巻 25~32 読了 ベトナムのことがよくわかるだろうと読み出したけど、 アメリカのことも更によくわかった。 ベトナムの山岳民族のこと、戦時下の人間・兵士のこと。 いずれも身につまされる話ばかり。 著者にとって「あとがき」というべきもの:「謝辞およびそれ以外の覚書」 は良い息抜きになる。 どれだけ多くの人が著者に好感を持ち協力を申し出てこの作品が完成したかよくわかる。 著者からの贈り物、その1. アイルランド民謡「トラリーの薔薇」 この歌が気にいって多くの歌手の歌を聴いた。欧米では人気のある歌なのか、 コメント欄を読むと家庭内で身内がよく歌っているとコメントを見かける。 これはかなり難しい歌で、日本で拡まらないと思う。 音程を外さず歌えるとすれば、庶民やプロの歌唱力レベルが高いとしみじみ思った。 著者からの贈り物、その2. コーヒーに入れるレミーマルタン。 ナボコフは小説を読んでいて 「登場人物の食べた物や飲み物をすぐ欲しくなる読者は質が悪い」と言っていた。 そんなことはさておき、読んでいて私もレミーマルタンを飲みたくなった。 慌ててお酒を探して、到来物のレミーマルタンを見つける。 ドイツの有機栽培無農薬のノンカフェコーヒーにそれを入れて飲んだら 夢見る夢子ちゃんになれた。 その後がいけなかった。 読みかけの本を手にしたまま、瓶を片付けようとした時だ。 私の意思とは関係なく、バランスが崩れ、瓶を落としてしまった。 床に倒れたレミーマルタン。 蓋も緩かったのだろう。 液体が床に広がる。 慌てた私はいろいろなことをした。 お彼岸の中日と言うこともあり、いろいろなことが起こる昨日今日。 レミーマルタンを備えて欲しかった霊魂たちが騒いだのか? そういえば黒岩重吾もレミーマルタンしか飲まなかったなと気づく。 勝手に「黒岩さんの花」とした沈丁花がたっぷり活けてあり、部屋中に香っている。 そこにこぼれたレミーマルタンの香りがかさなる。 間違いなく黒岩さんがやってきたんだ。 衣服に染み入ってくる香りに包まれての拭き掃除。 豊かなこの香りにこの世のものとは思えない幸せを得た。 この幸せな思い出とともに、この本のことを思い出すこともあるかも。 残りもきっと読める確信を持ってここで報告を終了する。 主人公のポール・ブレナーがベトナム訪れたのは1997年の事。 ケサンの街での、元ヴェトナム軍兵士ミスターチャムとの対話。 下巻 32 引用 p252−253 私はたずねた。「じゃ、あんたの友だちに南ヴェトナム軍の兵士だった人間はいるかい?」 「いいえ、いません。私世代の人間は、そう簡単に過去忘れられませんから」ミスター・チャムはさらに言葉をつづけた。「通りやバスの車内の中やカフェで、そういった人間と顔をあわせると、どちらもどれほどの死と苦痛を相手にもたらしたかをいやでも思い出してしまう。だから、憎しみのこもった目でにらみあい、すぐに顔をそむけます。嘆かわしい現象だとは思いますが、つぎの世代になれば解決されるとも思いますよ」 それからまた全員がビールを飲んだ。考えれば奇妙な話だーーチャム元大尉は、かつてここからそれほど離れていない土地で大尉時代の当人を殺そうとしていたアメリカの元軍人ふたりと、ひとつテーブルでビールを飲みかわすくせに、街で元ヴェトナム兵に会っても挨拶ひとつしないという。南北両ヴェトナムのあいだの敵意、勝者と敗者がともにいだく憎しみはいまなおつづいている。思うに、この複雑にこみいった敵意を見出したのは、戦争そのものという以上に、戦争後の展開ではないだろうか。戦争は黒と白ですっぱり割り切れるーー対して平和は、そう簡単に割り切れない複雑なものだ。 * ネルソン・デミル著「アップ・カントリー」感動の読了 byマサコ ************************** #
by grpspica
| 2022-03-24 17:48
| 本の感想など
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2022年 03月 23日
これはfacebookに出してくださった張家禎さんの写真の1枚です。 なんだか見慣れた人物配置ですね。 そう、これは曽祖父・恩地轍が北白川宮に同行して台湾入りした最初の露営地での あの写真から作られたモニュメントなのです。 元写真はこちら。 右端の曽祖父は軍夫姿なのでカットされたのでしょう。 宮様に同行したいとお願いしたけれど、文官だからその資格がないと受け入れらず、 それなら軍夫の資格でも良いので、ということで叶った台湾入りだったとのこと。 場所は基隆より東。 この写真を快く提供してくださった張家禎さん、ありがとうございました。 いつかこの地を訪れてみたいです。 そんな日が1日も早く訪れますように! その時まで、元気でいたいです。 ************************************** 関連日記 * 曽祖父・恩地轍と台湾 1895年 byモニカ * 恩地轍、検事から式部官までの経緯 byモニカ * 「曽祖父・恩地轍」検索結果 byモニカ ************************************** #
by grpspica
| 2022-03-23 23:27
| 旅・台湾
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